相掛り戦法

相掛り戦法

相掛り戦法は、相居飛車から飛先を交換する戦型です。

色々な形が古来から指されていますが、流行や新戦法の動きが激しいと思います。
「ひねり飛車」「横歩取り」も相掛り戦法のひとつと言えます。特徴的な戦型ですので分離しました。

将棋では、飛か角の働きを重視しますが、飛を先に働かす戦型が、相掛り戦法といえるでしょう。この中で飛先の歩の交換を 互いに避けない形が基本です。戦略としてわざと飛先交換をしない場合も稀にあります。

相掛り戦法・実戦譜

矢倉囲い対右玉1


角換わりか横歩取りの出だしでしたが、先手が横歩を取らなかったので相掛りになりました。
後手が角道を止めて持久戦を目指し、対抗して先手も矢倉囲の持久戦になりました。
後手は玉を金銀が少ない方に移動しました、右玉戦法です。守備は弱いですが、先手の攻撃の駒からも逃げています。
互いに玉を追いかけて、最後は持将棋の引き分けになりました。

相腰掛銀:1


先後が同形か、ほぼ同形に近い形になりやすい相腰掛銀です。
この戦型は、浮き飛車が攻撃的で引飛車が守備的と言われています。右の桂を跳ねる時の桂頭の守備力の差です。そして桂を跳ねると 攻勢といえます。
本局は後手が7筋の歩を取る形に変化したので、後手の攻勢の力戦になりました。
一般に相掛り戦型は、玉の守りが弱いので攻守のバランスが要求されます。

相腰掛銀:2


先後が同形でしかも同じ浮飛車の相掛銀です。一時は非常に流行した形です。
この戦型は、絶えず戦闘態勢にある状態の駒組と手詰まりになる飽和状態という反する事を持ちます。
定跡的には、先手の攻勢・後手の守勢ですが、本局は先手が9筋に2手かけたので後手の攻勢になりました。 先手の対応は一番強気の攻めさせて反撃する展開です。
一旦後手から仕掛けると激しい攻防になりますが、しばらくは実は定跡手順です。そこから離れた時、そして 両方の端歩の関係が微妙です。結果は1三桂と跳ねた後手と9六飛の隙間が攻防の要となった事で微妙な事に なりました。後手に2一玉の妙手が決め手でした。

相がかり・矢倉


横歩を取らずに、浮き飛車に構えました。
後手も、やはり浮き飛車ですが、現在では珍しい形です。
先手の浮き飛車は、ひねり飛車模様以外は、得でない見方が増えています。 後手の浮き飛車も同様で、ひねり飛車には損があります。現在は、片方が引き飛車です。
相掛りは、玉が弱く攻撃的な戦型です。それ故にわずかなミスで一方的なりやすいです。 本局は、先手が金矢倉に囲う構想が、バランスが悪くかつ、2六飛との王手飛車のラインに入ってしまいました。

相がかり・右玉2


相かかりは、局面が手詰まりになりやすいです。
同時に一度、局面が動くと止まらない傾向があります。
本局は、先手が右玉に組み替えて待ち、後手が矢倉模様から4二金寄とまった所で、先手が仕掛けました。 それが、3一飛からの玉頭攻撃になったのですから、意外な展開です。
先手が9三角を甘く見ていたのが理由です。

ひねり飛車模様+右玉3


先手は、3六飛として「猫式縦歩取り」模様です。
後手は、飛先の歩交換を避けて7四歩としました。ここから手将棋になりました。
後手は、中飛車から右玉にし、先手は2六飛と戻して矢倉囲いを目指します。 先手が8筋、後手が6筋を攻めあって、結局は千日手になりました。