相振飛車戦法2
双方が飛を振ると、相振飛車になります。
相居飛車の逆に近い戦型も含めて、多くの組み合わせがあります。また戦略的にも、相居飛車と同じくらいの戦型がある筈です。
ただ、飛角双方が玉と離れるので独特の感覚が必要になります。
相振飛車戦法・実戦譜
三間飛車対向飛車・早仕掛
6六歩と4四歩の同形から、三間飛車と向飛車の対抗になった。
所が先手が居玉のままで仕掛けを敢行した、これが成立すると定跡が変わる。ただし元に戻る可能性はある。
流石に大駒切る仕掛けは、攻め合いになると速度が違い、攻め合い負けになった。
三間飛車対総矢倉
6六歩・67銀と54歩・53銀から、相三間飛車対抗となった。
先手は金無双から攻撃に出る、後手は総矢倉から31角と全部で受ける、だが駒を剥がしながらの26飛が厳しい。
飛が逃げた時に32銀が角が浮いて疑問、43玉と逃げた時に79香もあった、25金で飛を殺したが36香が疑問。
相三間飛車>力戦
先手は向飛車の定跡ではなく三間飛車を選んだが、75歩と突かず、後手は84飛として77飛と受けた。
その形は双方が飛が使い難いが、駒が遅れていて駒組に戻った。
先手は金無双に組むが28銀は急ぎ過ぎだ、後手は玉の安定位置がなく、62玉の飛との接近形を選ぶ。
玉を囲った先手が自由度が大きく、後手は強引に74歩から開戦したが、先手65銀まで進むと玉頭が危ない。
駒損の後手は69飛から攻めあうと、先手も安全勝ちは難しくなり攻めあった。
後手は度々に34桂を打たれて序盤作戦が全て裏目となった。
相三間飛車>腰掛銀対35銀
先手は66歩・67銀から三間飛車を選んだ、後手は36歩交換から3飛と構えた。
双方が金無双の囲い、2筋と8筋を伸ばし、先手は56銀を目指し、後手は35銀を目指した。
後手は23銀から35銀と組んで先手の歩交換を拒否した、先手は手待ちになり後手が15歩と仕掛けたが、36歩から25銀を目指す手も有力だった。
後手は16歩・同香に36歩から25銀として17銀に36歩と合わせて十字飛車を狙ったが26歩で難しい。
先手は飛角銀桂が好形で待っているので、後手の攻めは難しい、23銀と飛が死に、清算して54桂は切れ模様だ。
先手の6筋攻撃で勝勢となり22飛が決め手だ、76桂も69香も5歩も悪手で61角で詰み有り、以下頓死した。
中飛車対三間飛車>金美濃対美濃
先手の78金から作戦は異様だが、後手の54歩・32飛・35歩は成功していない。
先手は38金美濃で後手は美濃囲いだ、先手は角の手損だが25飛が26香を誘う形で85桂以下の仕掛けになった。
後手は桂得から、31角成なら42角を見せてまたも手得になるが、74金が悪く先手が馬を作り混戦になった。
後手は38角成から55飛はともかく96歩は悪手で、85歩と56角を狙われては難しい。
後手は追いつめられて22飛以下粘り、47桂成で再度逆転した。
双方が玉頭が弱い囲いで闘い、働きが弱い駒を取り合った事で混乱した。
三間飛車対向飛車・相腰掛銀
先手の3手目96歩から後手が向飛車対先手三間飛車の、先後入れ替わりの定跡形だ。
金無双の同形囲いで互いに2−3筋の歩交換した、ただし端歩付きの有無で駒組が微妙にずれた。
相腰掛銀から金無双の急所の4筋と6筋の仕掛け争いに進展した、先後共に2歩を持っていつので継ぎ歩攻めが可能であり厳しい。
先手は96歩を早くに突き、後手は33角を上がっている、後手は形から14歩を突いたが、既に駒組が進んでおり1手遅れた。
先手が先に64歩から継歩に出て、後手は1手遅れた。65銀とぶつけて55銀と逃げたが74歩と突き攻めが続いた。
後手は攻め合いを避けて、受けに廻ったが43銀から飛を取られては一方的に潰された。