袖飛車戦法

袖飛車戦法

居飛車から飛を一つよる戦法を袖飛車と呼びます。

独自の戦法といえる形と、他の戦法の中盤形といえる形がありますが、ここでは前者を指します。 飛を移動するタイミングでいくつかの戦型に別れます。 多いのは6四銀型ですが、単に7二飛とする形もあります。

袖飛車は陽動的な含みが多く、手順が進むと他の戦法の中盤と合体する場合が多いです。 序盤に飛を移動する戦型のみを袖飛車にこのサイトでは分類します。

袖飛車戦法・実戦譜

後手袖飛車:7二飛1


後手は銀の進出より早く7二飛とします。これは飛先交換を目指す形ですが先手の囲いの妨害でもあります。
先手が角で防いだので、銀を繰り出して角を狙います。先手の玉の囲いが早すぎたようです。
中盤も先手の玉の弱さがまともに出て一方的になりました。形の上は飛先を突かない雁木風の後手の戦型でした。

後手:7四歩戦法


後手の2手目7四歩戦法は、細々と指されていました。最近はプロでも見かけます
2手目8四歩からの相懸かり模様では、8六歩交換を目指します。7四歩は7五での歩交換ですが7二飛が必要なので手数は同じです。
従って言い分が通ってもその後の指し方次第です。従って先手の6六角以下の構想は失敗です。目標になるだけで意味が弱いです。
以下悪い局面を千日手含みで粘っていたら、後手が守備金を攻撃に参加するという構想ミスを出し逆転しました。

後手:7二飛+5二飛


後手が振飛車模様から、7二飛と廻り歩を交換します。
次に、右銀を上がってゆき、角道を通して5五歩を接点に仕掛けます。
単に歩の交換だけでなく、4四銀から5二飛と全ての勢力を中央に集めます。
居飛車も飛を中央に、向かいあう形から思い切った展開になりました。

後手:7二飛+6四銀


後手が7二飛から6四銀と構えます。
しかも3三角から3五歩・3四銀と先手の飛先歩交換も拒否します。
結局、3−4筋を守る為にかなり金銀の形が歪み、銀桂交換になりました。
ただ先手が不用意で、3四桂と打たれ、6二飛から7筋攻撃が厳しくなりました。

後手:袖飛車崩れ


後手が3三角としたのは、袖飛車狙いなら失敗です。
7九角を誘う1手損なら狙いでしょうが、7七銀が引角狙いなので疑問はあります。
以下の後手は力戦模様で、揺さぶりを掛けるしかない形です。
先手の対応がそれに乗せられた格好で、部分的な攻め合いになったのは進展性のない後手の望む所でした。

袖飛車・銀対抗乱戦


後手・袖飛車で6四銀と6六銀の対抗は基本形の1つです。
7九角があるので、後手は3三から角交換するか、2筋の歩を切らすだくの選択です。
後手は後者を選んだが、それからが大変です、先手が4五歩を取りその飛車が追われました。
後手の飛車の2筋展開に対し、3八金で対応したが自陣が弱くなり、飛を取られた形は終始がつきません。