雁木戦法3

雁木戦法

檜垣是安で有名な、雁木囲いは江戸時代では固い囲いでした。昔は玉を固める手法が発展していなかったのです。

相掛かりが多く、矢倉囲いも相手に飛先を交換されて組む事が多いでした。これでは固くなりません。 序盤早くから角道を止める7七銀からの囲いは昭和20年台後半です。6六歩と止める矢倉囲いはそれよりももっと最近です。 これらの矢倉囲いの手法が発展すると、相手の飛先を金1枚で守る雁木囲いは弱い囲いと変わりました。

そして、雁木囲いの4枚の形では攻撃力が不足です。結局1枚の金か銀が攻撃に参加します。それは囲いがより弱くなります。 現在では、先手なら6五歩を伸ばし銀を繰り出す戦型のみが残っています。ただしそれも少数派です。

雁木戦法3・実戦譜

先手88角雁木・後手33角雁木


先手は雁木模様で88角のままで飛先交換を許す、後手は矢倉模様から33角と飛先を受けた。
先手の雁木は桂の跳ねた筋にいない、後手も雁木に組むが33角と53銀は桂の跳ね位置にいる。
双方が角以外は似た駒組で、桂で4筋と6筋を狙いあう、先手は69玉だが、後手は31玉と深く移動しさらに22歩を同玉と取った。
先手は攻めあぐむが後手は玉と飛が先手の攻め駒に近く当りがきつい。
後手は終盤に55桂から46桂と撃てて優勢になった、先手は飛を抑え込まれては攻めが無い。
後手は先手86桂を角で食いちぎり、76飛の形は先手は持駒が悪く受からない。