矢倉戦法8

相矢倉・雀刺し


先手後手共に相矢倉に組んだ、昭和後期の標準形だ。
定跡の仕掛けだが、先手が攻勢で主導権をもっている。
68手目の後手57歩成では47歩が良かった、後手はどこかで86歩としたかった。
先手は87手目35銀では15香が良く、逃して混戦となった。
101手目35金打は悪手で47金で捕まっていた、104手目58銀は悪く68金引ならば先手優勢だった。

相矢倉・46角対後手雀刺し


先手後手共に相矢倉に組み、さらに玉を入城させた。
令和では珍しい形で、玉が直接に攻撃されるリスクが高いとされて、避けられている。
後手の73桂に対して、先手が46角を35歩交換で移動して、46歩と突いたのが甘かった。
先手の角の睨みが消えた後手は、端攻めに専念出来て容易に9筋突破に成功した。
さらに34香を撃てては、一方的な展開となった。

金矢倉対銀矢倉


先手は金矢倉模様に、後手は銀矢倉模様に進む、先手は26銀から35歩と仕掛ける。
後手・45銀から34同銀引は定跡で、35銀からの交換も同様だが、46角は後手からの当りが強かった。
互いに玉を囲い、先手は46歩交換から37角だが、これも46銀で当たる。
65歩・66歩の合わせに55歩が疑問、さらに66角に73桂も疑問で、55角が両取りとなった。
後手83飛打が敗着で、86歩から28飛なら綾があった、先手の44歩で後手は受けがなくなった。

金矢倉対待機策


先手は通常の金矢倉模様を目指すが、後手は54歩も64歩も保留して組んだ。
先手が35歩と先攻すると、後手は86歩と突き捨てた、同歩なら85歩狙いだが同銀で手が戻った。
後手は通常形に戻るが突き捨てた歩損が残り、先手は持歩を生かして15歩と仕掛けた。
後手は24銀が悪く形勢を損ね、さらに64角に72銀も悪く苦しくなった。
先手も攻めあぐねたが、後手の77桂成と83飛が悪く敗勢になった。