森村誠一サスペンス9
- 棟居刑事の黒い絆
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警視庁捜査一課刑事・棟居弘一良(東山紀之)は非番に山に登り、古田純一(黄川田将也)と怪我をした妻・古田弓子(篠原ゆき子)を助けた。
2週間後にバー「シェトア」経営者・佐倉弥生(酒井美紀)と弁護士・島村雅恵(大沢逸美)が夫・臼木陽兵(みのすけ)をDVを受け殺害し正当防衛で執行猶予判決を受けたと記者会見し、捜査1課・那須亮輔(森本レオ)と神林武人(きたろう)がテレビを見た。
東京湾で死後1週間の水死体が見つかり、棟居は遺体の左手の薬指が千切れ、遺体は古田純一と判明し、別居し黒い帽子の女が目撃され、写真で棟居は古田と弓子を思い出し、古田は自分と妻に各1億円の生命保険をかけていた。
弓子は別居を認め登山後に古田からの連絡は絶え、生命保険は別居後に解約するはずと告げた、捜査会議で神林は黒い帽子の女の正体は弓子で証拠隠滅に来たと怪しむが古田の周辺に怪しい人物はなく捜査は難航した。
古田はバーテンダーで臼木を殺害した佐倉の店で働き、棟居はバーで弓子に出会い佐倉から古田を雇うが事件後に会わずマンションは訪れていないと聞いた。
佐倉は元教師で生徒・古田と繋がり臼木から暴力を受け、古田は正当防衛を証言していた、棟居は弓子から「古田の両親(及川いぞう・稲川実代子)から保険金受け取りで呼び出された」と聞き古田が弓子の保険金を狙ったと考え、弓子は過去に臼木に暴力を受け、結婚後に暴力を受けたと聞いた。
バーで佐倉を客が訪ね、弓子は名を調べ棟居に電話し同級生と告げ、翌日に弓子の死体と写真が見つかり、アルバムから芳賀明(鳥羽潤)と判り、棟居は富士宮の高校で同級生の教師(飯野めぐみ)から「佐倉が生徒・後藤達夫に乱暴される所を目撃し、古田と芳賀から口止めされた、後藤は20年前に自転車で事故死した」「後藤は不良で乱暴を働き皆に恨まれた」と聞いた。
芳賀は現在佐倉名義の家に大学生・山下美緒(藤井武美)と住み、棟居らはアリバイを聞き、佐倉と古田と芳賀は絆で結ばれていると考えた、佐倉は倉庫でワインを調べ贈答品にし、棟居は佐倉に「後藤から傷を受けたが古田と芳賀が葬り絆で結ばれ、東京で臼木に暴行を受け殺害し古田と芳賀が死体処理した」「佐倉は古田から脅迫された」と告げた。
<以下、隠し字>
棟居らは家宅捜索したが証拠は出ず、棟居はタクシー運転手から黒い帽子の女が男便所に入ったと聞き、棟居は帰国した神林一子(貫地谷しほり)のワインの土産で気つき、ワイン倉庫を調べ古田の血を見つけた。
芳賀が逃亡し、棟居と神林は倉庫でバーのバーテンダー・岩松達也(芹澤興人)が黒い帽子で偽装して芳賀を襲い「佐倉を守る為に古田を殺し倉庫に隠し、夜に処分した。芳賀に気ずいた弓子を殺害した」と告げ逮捕した。
棟居は出頭した佐倉に「娘・美緒に事実を隠し芳賀に預けていた」と告げ、取調べで美緒の父親は明かされなかった。
監督:村川透
脚本:吉本昌弘
原作:森村誠一「棟居刑事の複合遺恨」
出演者:東山紀之・きたろう・森本レオ・貫地谷しほり・酒井美紀・篠原ゆき子・鳥羽潤・黄川田将也・芹澤興人・みのすけ・大沢逸美・藤井武美・及川いぞう・稲川実代子・飯野めぐみ
製作年:2019年
感想:
- 「終着駅シリーズ35」「鬼子母の末裔」
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結婚1年目の主婦で根本フード副社長・根本佳枝(矢吹春奈)が自宅で遺体で発見され、新宿西署・牛尾正直刑事(片岡鶴太郎)らが臨場し大上刑事(東根作寿英)はクッションによる窒息死と告げ、山路刑事(徳井優)は夫で社長・根本圭一(窪塚俊介)が行方不明と告げ、現場から丸められた離婚届が見つかった。
圭一の母で根本フーズ会長・根本景子(真野響子)は身元確認し離婚話は否定したが圭一が失踪に動揺した、捜査会議で坂本課長(秋野太作)は凶器を公表させず、21年前に圭一の父・根本英雄(佐伯新)が千葉・勝浦で失踪し死亡者扱いと判り、景子と圭一は強い絆で結ばれていると知った。
牛尾と大上は周囲から圭一は景子に逆らわず佳枝との結婚も景子が決めたと聞き、刑事らは景子が圭一を匿うと疑うが圭一は船橋で消えて行方不明だった。
事件から5日目に景子が圭一の同級生・浜田勝弘(深水元基)のマンションに行き「圭一夫婦を殺した」と騒ぎ、牛尾らは景子から佳枝と浜田が不倫関係だと聞いた、捜査で浜田は評判悪く不倫の証言もったが事件日から行方不明だった、牛尾は妻・牛尾澄枝(岡江久美子)と過ごし1年前の結婚披露宴のDVDを確認した。
牛尾と大上は同級生夫婦から「転校生の天才少年・山岡修介が度々殺されそうになった事件で成績2番の圭一が疑われ母・景子が犯人の噂が流れた」「1月前に浜田が消えた創業者スキャンダルネタに100万円貸した」と聞いた。
勝浦で遺体が見つかり牛尾は谷口浩一刑事(六平直政)に浜田だと告げ、21年前の事件で英雄は圭一と来て旅館・磯波子・修介と夏子と遊んでいたと聞き、山岡晴子(野村真美)は子・修介と戻っていたと知り、牛尾は晴子から「英雄が謝りに来て親しくなったが景子に隠した」「佳枝と浜田が調べに来た」と聞いた。
牛尾と谷口は景子を聴取し、坂本課長らに21年前と今回が状況が似ていると告げ、圭一の行方を探すと、景子が出頭して佳枝と浜田殺害を自供した。
<以下、隠し字>
牛尾は圭一は匿われていると考え旅行中だという山岡夏子を疑い船橋を探し、根本夏子のアパートを見つけ圭一と夏子を発見した、牛尾は景子に証言は嘘で21年前の英雄殺害を問い詰めた。
「圭一と夏子は付き合い3年目で、佳枝は知り浜田と付き合い、圭一に離婚裁判での優位を告げ、晴子と英雄が不倫して景子は圭一が修介を襲ったと思い庇い英雄を殺した、佳枝は圭一殺害を狙った浜田を殺し、佳枝と圭一が浜田を海に遺棄し、圭一が21年前の景子の犯罪を知りそれまでの生き方に絶望して佳枝を殺した」と告げた。
監督:池広一夫
脚本:橋本綾
原作:森村誠一「鬼子母の末裔」
出演者:片岡鶴太郎・岡江久美子・真野響子・窪塚俊介・六平直政・矢吹春奈・佐伯新・深水元基・野村真美・東根作寿英・徳井優・秋野太作
製作年:2019年
102m
感想:
- 「終着駅シリーズ36」「雪の螢」
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東京・新宿の空き地で若い女性の遺体が見つかり、新宿西署・牛尾正直刑事(片岡鶴太郎)と大上刑事(東根作寿英)と山路刑事(徳井優)らが臨場し、スマホもバッグも無く身元は不明だった、牛尾は被害者のコートに白い綿を見つけ、10月から12月に北海道・東北・信州で空中を舞う昆虫「トドノネオオワタムシ」で「雪螢」とよばれた。
新宿西署捜査会議で坂本課長(秋野太作)は身元捜査を命じ「被害者は妊娠4月」と告げた、牛尾と大上は被害者は長野・諏訪在住の根岸いずみ(黒川芽以)と知り、諏訪市の住まいで管理人・吉岡隆一(松村邦洋)から愛人の老舗料亭「瑞泉亭」社長・泉田耀造(宮川一朗太)を知り、瑞泉亭で女将・西村真弓(青山倫子)から夫の専務・西村と耀造の台湾出張を聞き、ホテル支配人・田代から耀造といずみの関係を聞いた。
耀造が東京の家に帰宅し妻・泉田栄子(森口瑤子)が迎え、翌日に牛尾らは泉田家に行き四谷中央署・井上から耀造が脳梗塞で死んだと聞いた、後日に牛尾らは栄子から「1月前にいずみの存在と妊娠し後継ぎが欲しく離婚を頼まれた」と聞き事件当夜は看護師・島村昌子(宮本真希)からアリバイ証言を得た。
手がかりなく日が過ぎ牛尾らは栄子の社長就任を知り、牛尾は栄子から「夫の持ち物に愛人を気づき、弁当から料理が上手と思った」と聞きいずみ以外の女を感じた、山路は容疑者・川島礼治(高木勝也)から「いずみに声をかけ瑞泉亭で食事したが逃げられた」と聞いた。
牛尾は諏訪で調べ吉岡から2年前のいずみと島村昌子のトラブルを知り、松岡病院で医師から「昌子が患者・いずみを殴った」と聞き、牛尾は昌子の隣人・田村(竹内郁子)から「耀一郎は出産で死んだ昌子の妹・真理子(大谷麻衣)の子で、いずみが真理子に暴力を振るった」と聞いた。
牛尾は栄子と昌子の容疑を考えるが動機が薄かった、牛尾は諏訪で田代の妻(大實智子)から21年前の栄子の子・耀一郎を流産し耀造にそれ以外の名を求めたと聞いた。
昌子がいずみ殺害の遺書を残し投身自殺した、牛尾は現場の滝に行き遺書を読み、栄子から雪螢を昌子から知り思い出の場所だった、3人の耀一郎の母が出会った事が原因と考え、本店での会でアリバイが有った。
<以下、隠し字>
牛尾は真弓から仏間に一人居たと聞き、牛尾は坂本課長から3日で証拠を探せと言われ、自宅で妻・牛尾澄枝(岡江久美子)から自殺は世間から子を守る為と言われ、牛尾は川島からいずみの高い靴を聞き死体と異なり、指紋を調べた。
牛尾らは栄子を任意同行し取調べ「昌子が来て真理子はいずみの暴力で引きこもり、耀一郎を産み死んだと聞いた。そこにいずみが家に来て、栄子と昌子と出会い非難した。栄子は耀一郎は既に産まれていて認知させると告げ、耀一郎を襲ったいずみを昌子が殴り殺した。栄子は昌子といずみを空き地に運び自分の靴を履かせた。」「いずみも自分らと同じ母と気づき、昌子は栄子に耀一郎を認知させて育てろと脅迫した。」。
牛尾は昌子は子を守る為の自殺だと告げ、栄子は「出頭する取引を持ちかけたが雪螢を見た後と言われ、昌子は雪螢が見えると言い残して消えて自殺した」と告げた。
栄子は耀一郎を西村夫婦の養子にして託した。
監督:池広一夫
脚本:橋本綾
原作:森村誠一「雪の螢」
出演者:片岡鶴太郎・岡江久美子・東根作寿英・徳井優・秋野太作・森口瑤子・宮本真希・宮川一朗太・松村邦洋・黒川芽以・青山倫子・高木勝也・大谷麻衣・大實智子・竹内郁子・吉見幸洋・石原和海・小野寺丈
製作年:2020年
感想:
- 「終着駅シリーズ37」「停年のない殺意」
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伊庭晴美(山谷花純)は母・伊庭頼子(七瀬なつみ)の外出を見送り、兄・伊庭崇彦(堀井新太)から電話を受け、父・伊庭悌二(尾美としのり)と話した。
夜10時過ぎに東京・新宿の公園で文房具メーカー・市野商会社員・伊庭崇彦の遺体が見つかり、新宿西署刑事・牛尾正直(片岡鶴太郎)と大上刑事(東根作寿英)と山路刑事(徳井優)らが臨場し、牛尾は発見者・晴美から「夜9時に崇彦のマンションで会う約束をしていたが応答がなく近所をぶらついていて兄の遺体を発見した。崇彦から前々日に電話で「面白いものを見せてやる。見たら最初はケタケタ笑うが、最後は必ず泣く」と聞いた」と告げられた。
牛尾らは崇彦の高級なマンション部屋を捜索して冷蔵庫には4等分にカットされた細長いケーキがあった、、署に茨城・大洗の実家を訪ねていた父親・悌二が駆けつけ、友人と岐阜・高山旅行から母親・頼子が駆けつけ遺体と対面した2人はがく然とした。
捜査本部で坂本課長(秋野太作)らは「崇彦は何者かに階段から突き落とされて転落し死亡し、階段から少し離れた場所で遺体が見つかったのは転落後自力で歩き絶命した」「事件当日は崇彦は定時退社後同僚と居酒屋に寄り、店から殺害されるまで2時間半の空白がある」と聞いた。
市野商会で牛尾と大上は聞き込み「崇彦は深刻に悩んでいたが当日は吹っ切れていた。父・悌二はそこの総務部長で定年退職の日に入れ違いで崇彦が入社し社長・市野清明(国広富之)の秘書で働きはじめた。最近崇彦が市野の言葉に反感した。悌二と市野は大学時代の同期だった」と聞き、市野から「崇彦に、2年前に事故死した息子を思い出した」と聞いた。
牛尾は非の打ちどころのない崇彦は誰にも見せないウラの顔を持っていたと考えはじめた。
10日後、崇彦名義の通帳が溝から見つかり最近高額が度々入金して最後に全額下されていた、牛尾らは悌二から兄妹が7.5cmに切ったケーキ好きだったと聞いた、牛尾らは現場で頼子の友人らから頼子は昼過ぎに別れたと聞いた。
牛尾らは頼子の不倫と当日2時間の場所にいたと考え山中湖にいた市野とを疑い、牛尾は大洗の実家で伊庭君江(赤座美代子)に会い「1月前に崇彦から会社を辞めたいと聞いた」と知り、晴美に7.5cmケーキを告げて当日の本屋でのアリバイを聞いた。
捜査会議で大上は頼子と市野は不倫関係でしかも当日に市野のアリバイが無いと告げた、市野と崇彦が東京で会った可能性があった、牛尾は社宅の自宅で家族の思いを考えた、悌二は頼子から離婚したいと聞きもっと前にすべきだったと答えた。
牛尾らは市野を問い詰め「仲人で相談に乗っていた」と聞き頼子を1人で帰したとアリバイを問い、市野は自宅で仕事していたが証人はいないと告げた、牛尾は市野の息子・清彦と崇彦の写真が似ていると考えた、牛尾は君江から崇彦がDNAの書類を燃やしたと聞き出生の秘密があると考えた。
牛尾は頼子に会い「崇彦は市野の子で悌二を騙して結婚した、悌二は知っていた」と聞き、市野から「当日崇彦に呼び出され、金を返されて、関係を捨てると言われた」と聞き、頼子は「悌二の復讐は終わっている」と答えた。
牛尾は大洗で晴美から「当日ケーキをコインロッカーに入れた」と聞き、八王子のケーキ店で悌二が当日買いに来たと聞いた、捜査会議で牛尾は悌二が犯人で「鑑定書を晴美に見せようとした」と告げた。
<以下、隠し字>
悌二は電話で晴美から頼子との離婚を聞いたと言われ、牛尾は悌二に殺人での出頭を求め「八王子でケーキを買い崇彦に渡し殺害した。現場からケーキが消え晴美が持ち去った。後で部屋にも有ったと知り、両親を疑った。共犯者になる決心をした」と告げた。
牛尾は悌二から「21年前に頼子の不倫の噂を聞き、DNA鑑定で真実と知った。復讐の為に崇彦を育て捨てた市野に後悔させようとした。悌二は市野に崇彦を会わせた。市野が崇彦を入社させマンションに住まわせ、父親と主張した。崇彦が晴美に鑑定書を見せると考え、止めにゆき否定されて転落させたが歩いた」と聞いた。
署で牛尾は悌二に嘘を問い「鑑定書がもう1枚あり、晴美と市野にも親子関係があった。だが崇彦は晴美に見せるつもりはなかった。八王子に戻るつもりだった」と告げた。
監督:池広一夫
脚本:橋本綾
原作:森村誠一
出演者:片岡鶴太郎・東根作寿英・徳井優・秋野太作・尾美としのり・七瀬なつみ・堀井新太・山谷花純・国広富之・赤座美代子・
製作年:2021年
93m
感想: