中飛車戦法・実戦譜4
相美濃囲い
あらゆる振飛車で、居飛車左美濃が流行った時期があります。 その中で、囲いの桂を跳ねて、角を相手の玉に向けて配置する形もはやりました。 完全に同形でないが、かなりの部分が似た形になります。 さて高美濃を銀冠に組み替えるのが可能か得かは微妙です。 大駒交換から一気に終盤になる事も多いです。
歩交換型先手中飛車
先手中飛車の中で、居飛車が飛先を伸ばさない時のひとつの形です。 5五同角は、次に3三角成の詰めろで、4二玉として7七角で1手得狙いです。 ただ、5筋は飛車で歩交換して5九に引く事も多いので、形の決めすぎの面もあります。 6六歩と角交換を避けるか、6八銀と交換狙いかは分岐点です。 後手の5筋位取りも逆用狙いの一つの作戦です。
先手中飛車>三間飛車急戦
先手中飛車対、後手居飛車3筋位取りです。 居飛車が注意する必要があるのが、7五歩から7四歩と5五歩との組み合わせです。 本局の様に、3三銀+4三金は、玉の横が空いて角が二重に止まっています。 振飛車に無理攻めにこられても、受けきるのはかなり厄介です。 本局は受け間違いから一方的になったが、正しく受けても簡単ではない形です。 無難なのは、7五歩に8四飛でしょう。
後手中飛車>先手3八飛急戦
後手中飛車対先手居飛車3八飛急戦です。 中飛車が5四歩を突かず4三銀も上がらずに、玉を先に囲うのは一時流行った形です。 順序の問題だけだが、先手の様子を見る意味もあります。 先手が急戦模様になり、通常の形に戻るが、5七銀を上がらずに3八飛はやや珍しい。 攻めすぎて、守る繰り返しの末に、次第に玉の側の金銀の数に差が生じて決着しました。 3八飛戦法は、歩交換前後の後手の4五歩の可能性が高いので、左右どちらか5七銀の形が無難です。
中飛車>袖飛車
中飛車が、居飛車の急戦に対して袖飛車にして玉頭を狙う作戦はよく見た印象があります。 それは、大山十五世名人が多く使用していたからで、実際は玉が弱くなり実戦的には勝ちにくいです。 振飛車が玉が弱くなっても、全面で受け止める形で、どこかが破られると玉の弱さが響きます。 全面を受け止める中飛車の思想とはあっていますが、指しこなすのは難しいと思います。
中飛車>鳥刺し急戦
居飛車が角道を開けない引角急戦の鳥刺しを採用しています。 狙いは、7六歩が狙われない・引角で飛先を狙う・左銀急戦で振飛車の角の捌きをかわす等。 中飛車に対しては、4六銀+6六銀の形が多く、2−3筋を狙う形が多いです。 中飛車は2筋を焦土にする方針でしたが速度を誤った感があります。