三間飛車戦法9

三間飛車戦法9・実戦譜

42銀・22飛型対棒銀


後手三間飛車から4二銀から2二飛は先手の急戦に対し最強とされている。
居飛車は、5七銀左型+3七桂で4五歩を狙う。
ただし後手が4二銀を動かせば、4五歩の狙いが大きくなる。
この以降の展開は定跡化されているが、タイミングで実際に攻めるかは変わる。
本局は6四歩を待たずに、棒銀に出たが、その後の4五銀に普通は3五銀だが、3四歩から3八飛当たりから先手が迷った。
後手が優勢な展開だが、終盤は緩みもたついた、7三桂を攻めに使う展開は油断は禁物だ。

45歩急戦・24同角


後手三間飛車から5三銀に対し、4五歩急戦です。
居飛車の2四歩突き捨てに、同角とした形の攻防です。
先手が6八銀なので、4六角とか4七歩とかが利くが、派手な斬り合いの結果は後手が切れ模様。
振飛車の攻めが軽すぎたのと、受けで美濃囲いを崩したのが痛い。
2四同角には、本譜の4五歩から2五桂もあるが、4三歩・同飛・2四飛・同歩・2二角もある。
先手が5七銀左の形は、成立しない事が多い。

45歩急戦・55歩


後手三間飛車の4二銀に対し、4五歩急戦です。
同歩・5五歩という加藤定跡を後手が外す、普通は5三銀が多いが、5五歩だった。
先手は選択肢が多いが5五角と取り、5四歩が無い状態で進む、先手1歩得だが5七歩がある。
後手も飛が成るが5九金に1九龍は5五角も成立する、全く異なる展開になった。
ただ、角打ちに備えた8八銀の壁は悪手で、以下の攻め合いに負けた要因だ。
5五歩は力戦好みだが、4四歩からのゆっくりした流れもあり、はっきりした得は見えない。

棒銀対角交換


後手の振飛車に対する先手・棒銀戦法は、3三角の頭を狙う。
後手は3筋に飛を廻るか角を捌くのが狙いだ、三間飛車では初めから居るので棒銀は少ない。
本局は後手が2二飛と廻ってからなので、後手は角交換を狙った。
先手は3五銀と出て成功に思えたが、4六銀と引いては微妙だ、そして3一角からと5五銀と出た手が悪かった。
4九銀から2一金と角を殺されて、金銀のみの攻めで重くなった。
最後は一直線の攻め合いだが、先手が駒不足だった。

半急戦対大捌き


先手居飛車の57銀左急戦模様だが、早い56歩や9筋の突き越し等急戦とも思えない分裂模様だ。
後手も64銀+43金+52飛で、先手に合わせた感がある。
ただ、大捌きとなり、後手は7−9筋がキズにならなければ優勢になる形だ。
後手は優勢を意識して丁寧に受けたために、先手が攻めあぐねるが泥試合模様になった。
ただ先手玉の弱さはどこまでも負担になり、形勢が変わらなかった。
急戦の失敗は致命傷だ。

66歩型居飛車対石田流


先手が66歩と突き、後手が32飛から35歩は相振飛車で多い出だしだ。
だが、そこから先手居飛車も多い、36歩交換は49金型では困らないし、48銀型では38飛もある。
後手は35歩型石田流に組むのが無難だが、先手の盛り上がりが見えているので攻めたくはなる。
後手に早い52金左と36歩交換が、先手の早い65歩を呼び、44歩と妥協したが46銀の急戦を呼んだ。
35歩からの攻め合いはもう停まらないが、後手は不本意だ、結果的に2枚のと金が働いた。
石田流は威力のある戦型だが、反面に相手の駒に近いので狙われやすい。