三間飛車戦法10

三間飛車戦法10・実戦譜

66歩居飛車・石田流独走銀


先手が66歩と突き、後手が32飛から35歩は相振飛車で多いが先手は居飛車もある。
居飛車は位取りかが最初の分かれ目で、36歩交換対策が次の分かれ目だ。
後手は石田流が組めるかと、玉の囲いが分かれ目だ。
先手が57銀・26飛・5八金として36歩を受けるのは金銀の集結を狙う。
後手は石田流・美濃囲いと通常だが、65歩に対して54銀と出て収まらなくなった55歩に43銀と引くのか。
気合いで65銀として75歩の銀挟みから妙な闘いになった、ただ後手は左銀と玉側の桂交換はその後の展開次第だ。
後手が玉頭戦で桂のいない弱みを攻める展開になり形勢が傾いた。

石田流対44歩引角


先手が96歩として後手の44歩に三間飛車にして石田流を目指した。
先手97角に31角とぶつけられて、88角と引くのは失敗か、後で78金とするなら角交換も有った。
結局は75歩と抑え込まれ、78金から逆襲となるが、7筋絡みの局地戦になった。
その局地戦が、駒を取り合うさばきあいになるが、両取りの掛け合いや駒の総交換で差が付かない訳がない。
次第に先手が駒損を重ね、切れ模様になった。
形勢に差がついてから粘るが、勝負所はなかった。
角交換からの石田流の発想が必要だった。

43銀型+55歩位取り


55歩位取りは、持久戦も急戦もある、本局は持久戦模様から急戦に移行した。
四間飛車以外で55歩位取りは54歩を突かない時なので珍しい、持久戦模様から振飛車が端攻めに出て開戦した。
大駒交換から大味な動きの後で、じっくりした崩し合いになり、玉頭戦も加わった。
完全に力較べだが、攻めたり受けたり双方が曲線的で焦点がはっきりしない闘いだ。
振飛車が6筋突破狙いで、居飛車が28馬から玉のこびん狙いとの争いになった。
終盤は一気に局地的な戦いになり、玉自体が危険地帯にいる事になった。
後手78金から68銀不成が詰めろ、先手・74歩が詰めろ逃れの詰めろで、後手74桂が詰めろ逃れになって居なかった。

53銀左型65歩急戦


対三間飛車急戦定跡の基本形の1つの後手居飛車。
後手86飛と先手65飛と捌いた形が基本形で、64歩と打ち落ち着かせた時に69飛と68と67どれもある。
69飛は87飛成、67と68飛は89飛成とする、ここからが難しい手将棋になる。
端歩の突き合いが微妙だが、本譜は1筋を突き合い9筋は突かず先手が有利に働いた、ただし一番多い形だ。
振飛車が飛交換から1筋端攻めで飛を打ちこみ手を作り、95角から挟撃して実戦は手勝ちになった。
居飛車が破った形でも難解な事が急戦定跡を少なくさせた理由のひとつと思う。
居飛車が捌き合うタイミングを選べるが、手待ちと固め合いを含め、実戦の彩が大きい。

二枚銀急戦対73飛型


対三間飛車急戦の中で、居飛車が厚みで攻める形だ。
後手は捌ければ有利になるが、先手の動きに乗りたい局面だ。
本局は、振飛車が自ら捌きに撃ってでたが、飛角だけの攻めになりリスクも高い。
居飛車の弱い玉頭を狙うが、金銀の応援が無いと攻めが薄い。。
振飛車は75歩から33角と強引に攻めるが、66歩から32角となると金銀の応援が間に合い難い。
本局は桂を取ってからの54馬が間に合うという展開で、先手が一気に有利になった。
特に64歩の楔が入っては捌けなくなり大差となった、振飛車は先に動きたくなかった。

53銀型三間飛車対45歩急戦


53銀型三間飛車は捌き中心だが、早くに態度を決めるのは対急戦では減少した。
居飛車が持久戦指向になると増え、石田流が増えると43銀型が増える。
振飛車の72玉・52金左型は少ない、囲いあえば同じだが急戦になった、22飛は持久戦向けで捌き指向なら42飛だ。
45同歩も捌き指向なら42飛だ、振飛車に微妙な揺れがあり、そのまま戻れない闘いに入った。
振飛車の玉の囲いも弱いので通常の美濃囲いの感覚ではなく捌きは同等だ。
振飛車は居飛車の強い姿勢に僅かづつ遅れる、玉が同じ7筋なのでそのままで1手遅れの攻め合いとなった。
最後は51飛が先手では攻め合いまけだし、途中も攻め合いで勝てる順は難しかった。