浪花の華 緒方洪庵事件帳
- キャスト
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緒方章(後の緒方洪庵)(窪田正孝)
左近・お佐枝(栗山千明)
中天游(蟹江敬三)
お定(萬田久子)
耕介(杉浦太陽)
若狭(池内博之)
弓月王(宮内敦士)
赤穂屋(芦屋小雁)
新井幸次郎(梶原善)(同心)
- スタッフ
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原作:築山桂『禁書売り』『北前船始末』
脚本:前川洋一
語り:片岡愛之助
演出:勝田夏子・菓子浩・佃尚能
- 第1回:2009年1月10日:禁書の秘密
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上方の思思斎塾で蘭方医・中天游(蟹江敬三)は蘭学生・緒方章(窪田正孝)を探し、天游の妻・お定(萬田久子)は患者を治療し息子・耕介(杉浦太陽)に指示し天游に手伝えを求め、章は屋根裏部屋に引きこもり本を読み、天游は章に禁書の西洋の写本・八刺精要を買いに行かせた。
章は街で同心・新井幸次郎(梶原善)と岡引・清蔵(Fジャパン)が本屋・山城屋(上杉祥三)に禁書を問い、章は禁書売り・加島屋(木下ほうか)に金を渡すが江戸からの客が高額で買うと行司衆(元締)も目を光らせると値上げを告げられ、浪花請う案内人・お佐枝(栗山千明)は加島屋と章に話しかけた。
2年前に備中・緒方家から章が学問を学びに大阪に来た、翌日に加島屋が殺され新井は武士を取調べ禁書を疑い、章はその場で左近(栗山千明)を見かけ追い、左近は本屋・和泉屋(石田太郎)と山城屋に禁書を見つけたと告げ預かり、章は山城屋から左近の事は聞くなと言われた。
章は天游から役に立つ本が手に入らなくなると責められ、章は赤穂屋(芦屋小雁)にお佐枝の居場所を問い、龍天王寺の饅頭屋・高麗屋に行き若狭(池内博之)と左近を見つけ本を渡して欲しいと頼み、章は和泉屋ら行司衆から奉納本の文庫から本が持ちだされ写本が闇で売られ、左近と監視していると聞いた、左近は章は目利きで写本の製作者が判ると告げた。
章は道で襲われると、左近と若狭が来て襲撃者らを倒し黒幕の山城屋を捕らえた、左近は「山城屋は禁書の書名を知っていて疑い、章を囮にして襲わせた」と和泉屋に告げ、左近は章に行司衆は損得で動くと告げ文庫の鍵を入手した。
章は天游から本が届いたと聞き、お定から追い出す事は方便で街に出ろと言う意味だと言われた。
演出:勝田夏子
脚本:前川洋一
原作:築山桂『禁書売り』
- 第2回:2009年1月17日:想(おも)いびと
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塾生らは緒方章(窪田正孝)の身体で内臓の場所を学び、蘭方医・中天游(蟹江敬三)は息子・耕介(杉浦太陽)におあき(小出早織)の父の祈祷師が疑わしいと反対し、妻・お定(萬田久子)は仲裁し、天游は章に和蘭薬鏡が箱だけと怒った。
章は街で耕介に会い、うどん屋・赤穂屋(芦屋小雁)で一目惚れを聞き、龍天王寺の饅頭屋・高麗屋は留守で、耕介がおあきを紹介し、夜に難波宮の在天楽所の楽人を見て弓月王(宮内敦士)と聞き、楽人に左近(栗山千明)と若狭(池内博之)を見つけ、おあきと耕介は神職・塩野主税(野田普市)に会った。
同心・新井幸次郎(梶原善)と岡引・清蔵(Fジャパン)は耕介と章を塩野主税殺害で取調べ「おあきが消え下手人」「神職・杉田(村上かず)と大野(奥井隆一)が証言」「おあきは塩野に父の仇討ちした」と告げた。
長屋の住人・おしん(松田文香)に会い、章と耕介は左近からおあきの守袋を見せられ安産だった、翌日耕介が消え、章は左近と若狭から塩野とおあきの間は異なると聞き、杉田の屋敷に行き捕らわれていた耕介を助けた。
左近は「杉田と大野らの不正を塩野が知り調べ、当夜におあきは塩野に会い耕介の庫とを話したが、杉田と大野らは利用し二人を殺しおあきの死体を隠し罪を着せた」と告げた、章は自分が楽人を訪ねたせいと考え落ち込み、左近はおあきの魂が耕介の名を呼ぶと想像した。
演出:勝田夏子
脚本:前川洋一
原作:築山桂『神道者の娘』
- 第3回:2009年1月24日:闇の守護神
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緒方章(窪田正孝)は両替商・三好屋の一家心中を見て赤穂屋(芦屋小雁)は更始=借財の帳消しが原因と告げ、左近(栗山千明)と若狭(池内博之)は弓月王(宮内敦士)と闘うと話した。
数週後に章は中耕介(杉浦太陽)から蘭学生薩摩藩士・川崎(中村大輝)が薩摩に帰ると聞き、大阪の両替商が原因と聞き、蘭学生で両替商近江屋の息子・富沢(山崎裕太)は無関係と告げ、中天游(蟹江敬三)は喧嘩すると破門にすると告げた。
章は天游から富沢が賭場に出入りする噂の調査を頼まれ、章は富沢を尾行し川崎を見かけ、富沢が襲われ左近が助けた、同心・新井幸次郎(梶原善)と岡引・清蔵(Fジャパン)は富沢にごろつきとの関係を問い、天游とお定(萬田久子)は新井と言い争った。
章は呼び出し文を受け取り高麗屋に行きお佐枝(栗山千明)は知らず探す者が居ると言われ、章は帰途に襲われ富沢も捕らわれ、川崎が左近の正体が判り薩摩藩御用人・調所広郷(団時朗)の役に立つと告げ、富沢は薩摩が大阪の商いを壊したせいと答えた。
富沢は章に薩摩が借金を踏み倒し三好屋が一家心中した、左近は商人を助けた為に薩摩が狙うと告げ、左近は昔から京・大阪を守る闇の一族の一人だと告げた。
左近は現れ証文を渡し富沢と章を返せと告げ、左近は川崎ら薩摩藩士らに襲われたが峰打ちで倒し、調所に生き証人と告げ20万両で引取を求め、調所は藩士に左近らの口封じを命じ、若狭と弓月王の配下らが来て取り囲み証文を書かせた。
演出:勝田夏子
脚本:前川洋一
原作:築山桂『証文破り』
- 第4回:2009年1月31日:哀(かな)しき宿命(さだめ)
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中耕介(杉浦太陽)は母・お定(萬田久子)と町で不審者に出会い驚き足を挫き紙を渡され、緒方章(窪田正孝)と蘭方医・中天游(蟹江敬三)は紙に異国文字を見た。
章は高麗屋に行き長屋住人・直蔵(上村厚文)と娘・おしん(松田文香)と出会い在天楽所を聞き、そこで関白の側室・滝川(高橋マリ子)と弓月王(宮内敦士)を見て、左近(栗山千明)と若狭(池内博之)と出会い、章は左近に紙を見せた。
章は左近から訳せと言われ、「保有していた異国人(ジョン・オコーナー)は密航者で船主・藤小路家と出雲屋(結城市朗)が殺害を依頼して来た」と聞いた。
赤穂屋(芦屋小雁)は左近に情報を知らせ異国人を探し若狭から指示違反と警告され、章は初めての異国語を訳しおえ手紙と知り左近に「妹が兄に救いを求める」と告げ、章は左近に連れられ弓月王に会い「漂着した娘を匿い、藤小路家に売った」「娘は滝川となり、実の兄を殺そうとした」と聞いた。
章は左近と若狭と共に、滝川に兄を会わせ去り「妹は死んだ」と伝言し、弓月王は「幸せだ」と知らせた、左近は章に「祖先は異国人で助けたかった、兄・弓月王に役にたちたい」と告げた。
演出:菓子浩
脚本:前川洋一
原作:築山桂『異国びと』
- 第5回:2009年2月7日:北前船始末(前編)
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緒方章(窪田正孝)と中耕介(杉浦太陽)は蘭語を学び、蘭方医・中天游(蟹江敬三)は妻・お定(萬田久子)らと患者を治療し、章は直蔵(上村厚文)に使いに行きおしん(松田文香)から長屋の子供を診て痘そう=天然痘を疑い、天游は水痘=水ぼうそうと診断した。
章は天游から軽々しく痘そうと言って患者を不安にしたと怒られ、章は赤穂屋(芦屋小雁)から聞き天游が北前船船頭・卯之助(苅谷俊介)の怪我を治療し、章は高麗屋に行きお佐枝(栗山千明)と卯之助の孫・おゆき(畑未夢)に知らせた。
若狭(池内博之)はごろつきと争い、おゆきを卯之助に連れた、章は自信を失いお定が心配し、夜に章と天游は熱を出したおゆきを診察し風邪と告げたが卯之助が心配し、章が付き添い卯之助は「松前で痘そう患者に接した」と心配し、章は様子を見て熱の具合を見ると告げ、卯之助は家族が痘そうで死んでいると告げた。
若狭は廓で遊女から弁天丸の船乗りを聞き込み、章は左近に痘そうは怖く直せないが自分が慌てると患者が怖くなるから落ち着くと告げ、翌朝におゆきの熱が下がり大丈夫だと告げ、天游は章の見立ては正しいと告げた。
卯之助が消え、若狭は左近に弁天丸に隠し荷があると告げ、章は襲われおゆきが連れ去られた。 (続く)
演出:菓子浩
脚本:前川洋一
原作:築山桂『北前船始末』
- 第6回:2009年2月14日:北前船始末(後編)
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(承前)
緒方章(窪田正孝)は気がつき、赤穂屋(芦屋小雁)で左近(栗山千明)と若狭(池内博之)は船頭・卯之助(苅谷俊介)に弁天丸の隠し荷を問い、卯之助はおゆき(畑未夢)誘拐は境屋(南条好輝)で隠し荷はロシアから松前に送られた痘そうの薬と告げ、章は痘そうの薬は無いが罹らない身体を作る種痘はあると告げた。
卯之助はおゆき自身が隠し荷だと告げ、章はおゆきに痘そうの種が植え付けられていると知り、文献を調べ種は7日を越えると取れないと知り左近と若狭に知らせ、章と左近は境屋に乗りこみ、章は人の命に関わるものを商売にするなと告げ、おゆきを引き取った。
章と左近とおゆきは多数の長州武士に襲われ、章とおゆきは逃げ左近が銃で撃たれた、章は左近からの弾抜き手術して、中天游(蟹江敬三)が来て縫合した、章は天游に奉行所に届けないで欲しいと頼み、天游が破門だと言うとお定(萬田久子)は「破門になっても守る人がいる」と告げた。
天游は同心・新井幸次郎(梶原善)と岡引・清蔵(Fジャパン)に何も知らないと告げ、章は天游に医者になれれば痘そうの研究をしたいと告げ、章は弓月王(宮内敦士)から左近に近づくな、許嫁の若狭がいると言われた。
演出:菓子浩
脚本:前川洋一
原作:築山桂『北前船始末』
- 第7回:2009年2月21日:左近を救え
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北野屋(川下大洋)は浪人らに襲われ斬られ、手代・仙吉(浜口望海)は左近(栗山千明)が助ける逃げたが、左近は銃を向けられた
緒方章(窪田正孝)は薬一覧を作り徹夜しお定(萬田久子)と中天游(蟹江敬三)が心配し、怪我人・仙吉が運びこまれ天游と中耕介(杉浦太陽)らが治療し、章は仙吉が持つ左近の持ち物を見つけた。
同心・新井幸次郎(梶原善)と岡引・清蔵(Fジャパン)が調べに来たが仙吉が消え、章は天游から治療箱を渡され仙吉を探し赤穂屋(芦屋小雁)から「北野屋中心の木綿商いが大阪町奉行・斎藤宗矩(草川祐馬)が止めさせ、須磨の店が買い占めた。左近が拐かされた」と聞き、斎藤は村越平七郎(今井朋彦)から大阪を守る闇の一族の噂を聞いた。
章は女中から仙吉の居場所を聞くがならず者らに襲われ、若狭(池内博之)が助け、章は仙吉を治療し「闇の一族は自らの意志と誇りで危険な事を行う」と聞いた。
左近は播州屋(江口直彌)と村越らに捕らわれ、章と若狭は仙吉から黒幕は町奉行と聞き、章は無理に同道し播州屋別宅に押し込み左近を助けた、若狭は播州屋と村越を捕らえ、章は左近から医師になるために二度と刀を持つなと言われ約束した。
弓月王(宮内敦士)は斎藤を襲い蟄居させ、章は天游から江戸での修行を言われた。
演出:佃尚能
脚本:前川洋一
原作:築山桂『木綿さばき』
- 第8回:2009年2月28日:蘭方医の戦い
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若狭(池内博之)ら一味は倉に多数の鉄砲を見つけた。
緒方章(窪田正孝)は蘭学生らと蘭語を学び、中天游(蟹江敬三)とお定(萬田久子)から蘭方医・日高良斎(西園寺章雄)と弟子・佐伯京次郎(加藤虎ノ介)が長崎から戻り大阪に治療所を開くと聞いた。
章は中耕介(杉浦太陽)から左近(栗山千明)の事で大阪に心残りがあると指摘され、赤穂屋(芦屋小雁)に励まされ、夜に章と耕介は銃声を聞き撃たれた日高を見つけた。
同心・新井幸次郎(梶原善)と岡引・清蔵(Fジャパン)が天游らを調べ「日高に抜け荷の噂がある」と告げた、章は高麗屋に行き左近に江戸行きを告げた。
弓月王(宮内敦士)は若狭と左近から鉄砲200丁と割り札を見せられ日高が荷主と聞き、章は天游から日高の家で禁制品が見つかったと知り、佐伯は日高の遊郭通いを告げた。
章は佐伯から大阪の裏の顔を問われ「左近らに鉄砲200丁と割り札を奪われた」「抜け荷は日高でなく自分だ」と聞き、銃を向けられ「日高を撃った」と言われ、左近が来て銃を向けたが章は撃たれた、章は持っていた金具で助かった。
章は左近に江戸に行き修行すると告げ、天游が襲われた。
(続く)
演出:勝田夏子
脚本:前川洋一
原作:築山桂『蘭方医』
- 第9(e)回:2009年3月7日:明日の華
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(承前)
緒方章(窪田正孝)は耕介(杉浦太陽)から中天游(蟹江敬三)は往診だと聞き迎えに行き、蘭学者・佐伯京次郎(加藤虎ノ介)から「天游と割り札が交換」と言われ、左近(栗山千明)と若狭(池内博之)に助けを求めた。
左近はお定(萬田久子)に事情を問い詰められ女傑と知り章に師匠夫婦に恵まれたと告げた。
章は佐伯ら一味に連れられ天游に会い、割り札を渡し牢に二人入れられ火を放たとうとし、左近が来たが章らが銃を向けられ、若狭が助けに来て佐伯を倒すが火が付けられた、左近は火の中で鍵をこじ開け、章と左近は火の中を逃げた。
天游と章は治療所に戻りお定が迎え、左近は弓月王(宮内敦士)に報告し「力頼りには限界がある」と告げ、弓月王は「大阪が必要としなく成れば、喜んで消える」と答えた。
春に同心・新井幸次郎(梶原善)と岡引・清蔵(Fジャパン)は天游に佐伯の行方を問うと忙しいと言われ、章は天游とお定らに挨拶し、高麗屋で若狭から左近は不在と聞き、町で左近に会い江戸に向かった。
演出:勝田夏子
脚本:前川洋一
原作:築山桂『蘭方医』