徳川家康
- スタッフ
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原作:山岡荘八『徳川家康』
脚本:小山内美江子』
- 第1回:1983/1月9日:竹千代誕生
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天文11年12月に徳川家康が生まれた。 1年前に岡崎城で城主・松平広忠(近藤正臣)と家臣・鳥居忠吉(宮口精二)と岩松八弥(村田雄浩)は大久保新八郎(河原さぶ)らから水野家との縁談を急がれ和議を求められ、酒井雅楽頭(小笠原良知)と忠吉が相談し、広忠は母・華陽院(八千草薫)から薦められた。
苅谷城で華陽院の末娘・於大(大竹しのぶ)は父・水野忠政(北村和夫)と兄・水野信近(田代隆秀)から縁談と優れた家臣団を聞き、水野信元(村井国夫)は縁談に反対し熊屋敷で熊野若宮こと土豪・竹之内波太郎(石坂浩二)と金蔵(倉田保昭)に会い於大の誘拐を頼んだ。
広忠の側室・お久(高橋恵子)は子・勘六(宮川陽介)があり、駿府城主・今川義元(成田三樹夫)は軍師・太原雪斎禅師(小林桂樹)と策を練り、安祥城で織田信秀(伊藤孝雄)は平手中務(戸浦六宏)と策を練った。
於大は忠政から綿の種を貰い侍女・百合(立枝歩)と小笹(棚橋久美)と出発し、波太郎は金蔵と銀蔵(佐乃貢司)に命じ輿をを攫うが偽で、松平家臣団が於大らを攫い連れた、広忠と於大の祝言が行われた。
於大は華陽院と綿の種を育て、信元は吉法師(伊藤洋一)に出会い波太郎と鉄砲を見て随風(竜雷太)に会い、広忠は今川の使者・朝比奈備中守(亀石征一郎)から援軍を受け安祥城奪還を考え、広忠は於大と初めて夜を過ごした。
於大は人々からお屋敷様と呼ばれ、懐妊し家臣らは男子を望んだ、広忠は出陣命令を出し援軍の今川も出発し、水野は対応に意見が割れて信元は信近を襲い、波太郎は信近を看病して匿い、岡崎に信近の死が伝わった。
信秀が出陣し、義元が出陣したが水野を疑い広忠を信用せず、松平家臣団は勝手に評定して決めた、大久保党が出陣し、織田・今川がぶつかり織田が優勢になるが大久保党が加勢し今川が退き引き分けた。
暮れに於大は虎の年の虎の刻に男子を産んだ。
演出:大原誠
- 第2回:1月16日:離別
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子は竹千代と名付けられ、家臣団は松平広忠(近藤正臣)や於大(大竹しのぶ)らに喜びを伝え、お久(高橋恵子)も子を産んだが家臣は寄り付かず祖父・松平乗正(早崎文司)は恵新と名付け仏門に入れた。
天文13年に水野忠政(北村和夫)が死に水野信元(村井国夫)が織田に付き、平手中務(戸浦六宏)は信元に広忠の説得を求め於大を離縁させ見送る家臣を斬れと命じ、今川の使者・朝比奈備中守(亀石征一郎)は広忠に於大が病だと離別を求めた。
於大は華陽院(八千草薫)に竹千代(山崎晃)との別れは辛いと告げ、竹之内波太郎(石坂浩二)と随風(竜雷太)は於大が狙われると考え、幽閉された於大は華陽院から別れを聞き、広忠が訪れ最後の夜を過ごした。
酒井雅楽頭(小笠原良知)と石川安芸(早川純一)らと於大は去りお久は竹千代を連れて見送り、水野家が襲撃を計画し、於大は水野の領地に入り輿を降り家臣と別れた。
広忠は酒に溺れ、天文14年正月に家臣らは広忠の女の岩松八弥(村田雄浩)の従姉妹・お春(石田えり)を噂し、雅楽頭が広忠に側室にせよと告げた。
苅谷で於大は信元から縁談を求められ出かけて水野信近(田代隆秀)を見かけ波太郎の屋敷で吉法師(伊藤洋一)と中務と阿久比の久松弥九郎(橋本功)に会った。
広忠は於大が久松の妻になったと知り荒れ、今川の勧めで真喜姫(大城えりか)を妻にした、お久は華陽院に別れを告げた。
演出:加藤郁雄
- 第3回:1月23日:人質略奪
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天文16年(1547)に岡崎城で竹千代(加瀬悦孝)は徳千代(吉田紀人)と三之助(市川智也)ら小姓らと酒井雅楽頭(小笠原良知)と本多平八郎(山口嘉三)らと過ごし、松平広忠 近藤正臣)は病に弱るが安祥城奪還を諦めず。
於大(大竹しのぶ)は久松弥九郎(橋本功)の妻で過ごし、竹之内波太郎(石坂浩二)の頼みで水野信近を竹之内久六(田代隆秀)として召し抱えて戦と情勢を聞いた。
広忠は出陣し、久松勢を見て攻めかかり、織田信秀(伊藤孝雄)と平手中務(戸浦六宏)は囲んで攻めて、広忠は攻めかかるが平八郎が止めて身代わりになった。
駿府城で雪斎禅師(小林桂樹)は今川義元(成田三樹夫)に「広忠は敗走して寝込み」「戦に種子島という新兵器が使われた」「上洛の為に織田攻めの先鋒を固め、岡崎から人質が必要」と告げた。
岡崎城で広忠はお春(石田えり)と話し、田原御前(大城えりか)はお春と岩松八弥(村田雄浩)の関係を疑い、雅楽頭はお春に広忠から離れろと求めた。
広忠は雅楽頭と大久保新八郎(河原さぶ)と石川安芸(早川純一)に反対されたが竹千代を人質に出すと告げ、於大は久六から竹千代が駿河に送られ未練は竹千代の為にならぬと言われた。
田原御前の兄・戸田宣光(森次晃嗣)が駿河行きの役を受け海路を考え、波太郎は宣光に旅の途中で竹千代を攫えと談合した、広忠と華陽院(八千草薫)は竹千代を見送り6人の側小姓と警護の金田与三左衛門(山本紀彦)が付き添った。
竹千代一行は海を渡り田原に着き、宣光と波太郎と金蔵(倉田保昭)らが襲い織田に連れると説得し、金田は応じて切腹し竹千代らを引き渡し、竹千代は信秀の元に送られた。
演出:松本守正
- 第4回:1月30日:忍従無限
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天文16年(1548)秋に竹千代(加瀬悦孝)は織田信秀(伊藤孝雄)と平手中務(戸浦六宏)に差し出され、水野信元(村井国夫)は岡崎の松平広忠(近藤正臣)らに織田への随身を求めたが断られ、竹之内波太郎(石坂浩二)は於大(大竹しのぶ)に知らせた。
於大は夫・久松弥九郎(橋本功)に那古野城行きを求め、城主・織田信長(役所広司)に会い熱田に連れられて竹千代を見た、広忠は於大と竹千代と信長の繋がりを知り岩松八弥(村田雄浩)に於大殺害を命じた。
お春(石田えり)は狂気を装い、岩松はお春を殺し遺書を読み広忠を殺害して死んだ、家臣・鳥居忠吉(宮口精二)と酒井雅楽頭(小笠原良知)と石川安芸(早川純一)と大久保新八郎(河原さぶ)と本多忠高(村嶋修)らは対策を練るが、今川の使者・朝比奈備中守(亀石征一郎)が安祥城を攻め信秀の息子・信広を捕らえて人質交換する策を告げ、朝比奈は岡崎城明け渡しと重臣の家族と交換した竹千代の駿府での人質を求めた。
忠吉と雅楽頭らは家臣らに広忠の死と岡崎城明け渡しを告げ、三河は今川に従順に従い期を見ると告げた、翌日に雪斎禅師(小林桂樹)が大軍で岡崎城に入った、信長は美濃から濃姫(藤真利子)を嫁に取った。
三河は今川の兵に荒らされ、家臣は戦の先鋒で死者が増えた、華陽院(八千草薫)は雪斎に本多平八郎(山口嘉三)の後家で妊娠した小夜(木内みどり)を会わせ駿府行きを望み「竹千代を奪い自身で育てたい」と聞いた。
華陽院と小夜は於大に会い「竹千代が送られる駿府に行く」と告げ、信長は竹千代に雪斎が人質交換を求めていると告げた。
演出:大原誠
- 第5回:2月6日:人質交換
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織田信長(役所広司)は父・織田信秀(伊藤孝雄)の古渡城に行き「竹千代(加瀬悦孝)を斬れば岡崎衆は離散するので今川は織田信広を斬れない」と告げ、那古野城で竹之内波太郎(石坂浩二)に竹千代の偽首を求めた。
だが信秀が人質交換に応じ、信長は信広殺害を考え、波太郎は竹千代を渡せば雪斎禅師(小林桂樹)は軍を引くと告げ、信長は於大(大竹しのぶ)と竹之内久六(田代隆秀)に会い「駿府に行った竹千代に信長との繋がりを伝えよ」と告げた。
安祥城で平手中務(戸浦六宏)と雪斎が交渉し、酒井雅楽頭(小笠原良知)は人質交換の場所選定に絞られ西野に決まり、大久保新八郎(河原さぶ)が信広を警護し、波太郎と随風(竜雷太)と於大が群衆に紛れ見守り、人質交換後に竹千代一行は菩提寺に寄り譜代家臣らと会い、随風は駿府行きを決めた。
駿府で今川義元(成田三樹夫)は関口親永(佐藤英夫)と鶴姫(池上季実子)と亀姫(竹下景子)に竹千代を堕落させる手立てを告げ、竹千代は人質館で華陽院(八千草薫)と会い、正月に今川館で竹千代は義元らに会い、翌日に竹千代は臨済寺で雪斎に会い気ままにふるまうと注目され監視されると言われ手習いを始めた、関口は竹千代を家に招き、鶴姫は竹千代に言い寄った。
尾張で信秀が死に信長は濃姫(藤真利子)に後を継ぐと告げ、平手は奔放な信長を諫めて自害した。
演出:加藤郁雄
- 第6回:2月13日:試練の時
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駿府で4年目に松平竹千代(松田洋治)は随風(竜雷太)と稽古し、華陽院(八千草薫)は於大(大竹しのぶ)に手紙で知らせた。
竹千代は随風と野で稽古し大将は美食するなと言われ、小夜(木内みどり)とその子・鍋之助(高山幸久)が道を尋ね、竹千代は鍋之助を負ぶって館に行き、小夜は本多平八郎の後家だと告げ、竹千代と華陽院と鳥居元忠(小山渚)は岡崎の使いの小夜親子に会い、於大からの口上を聞き届け物を受け取った。
今川氏真(林与一)は瀬名(池上季実子)と亀姫(竹下景子)と竹千代らと蹴鞠を見て遊び、竹千代は亀姫を呼び出し妻に望んだ、竹千代は瀬名から年が違い諦めろと言われ、関口親永(佐藤英夫)は瀬名と竹千代の仲を誤解し、今川義元(成田三樹夫)は竹千代に瀬名との婚約を求めた。
竹千代は雪斎禅師(小林桂樹)に全てを打ち明け、熊屋敷で竹之内波太郎(石坂浩二)と随風は尾張と美濃が同盟し今川と決戦すると考え、随風は木下藤吉郎(武田鉄矢)と出会い織田信長(役所広司)が通行を許し商人が集まると聞いた。
岡崎で酒井雅楽頭(小笠原良知)と鳥居忠吉(宮口精二)と石川安芸(早川純一)と大久保新八郎(河原さぶ)と大久保甚四郎(中田譲治)は竹千代の縁談を議論し小夜が不忠だと諫めた。
駿府で華陽院は病に倒れ竹千代に「義元上洛時に三河も戦場になり、そこに母・於大がいる」と告げ死んだ、竹千代は病の雪斎の呼ばれ「竹千代に今川への義理が増えるが瀬名との婚儀に賛同した、義元は上洛を急ぎ先陣を竹千代に命じる」「妻子の思いは思い」と告げられ、雪斎は死んだ。
演出:松本守正
- 第7回:2月20日:初陣
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弘治3年(1557)初春に元服した竹千代は松平元信(滝田栄)となり、関口親永(佐藤英夫)と瀬名(池上季実子)の婚儀を打ち合わせ、岡崎で鳥居忠吉(宮口精二)と酒井雅楽頭(小笠原良知)と大久保新八郎(河原さぶ)と小夜(木内みどり)は婚儀の費用を話し不安を告げた。
今川氏真(林与一)は元信と瀬名に名の由縁を問い虐め、瀬名が苦情を言うと氏真の不興を買い、不安の中に元信と瀬名が結婚した。
尾張で織田信長(役所広司)は木下藤吉郎(武田鉄矢)に出会い、清洲城で濃姫(藤真利子)から義夫・斎藤道三の死を聞き美濃は敵になり今川とは単独で戦う事になったと知った。
駿府で瀬名が元信の子を身ごもり、信長は濃姫に「斎藤義竜との和睦の為に遠ざけ、10年子が出来ず、側女を探す」と告げ、信長は藤吉郎に会い女探しに連れて家臣・生駒出羽(鄕明久)の妹・類(小田切かほる)と、吉田内記(佐伯赫哉)の娘・奈々(森美香)に侍女・美幸と類を側室にしたと告げ奈々を側室に求めた。
駿河の元信は今川義元(成田三樹夫)から岡崎墓参の許可を受け、12月に岡崎に行き家臣らに会い苦労を掛けたと頭を下げ、忠吉の館で集めた金と武器を見せられた、雅楽頭から信長が大高城に仕掛けたと聞いた。
元信は直ぐに駿府に戻り義元から上洛戦の前に初陣を命じられ、松平元康への改名を認められた、雅楽頭は瀬名に岡崎城に入れず死を覚悟になると告げ、竹之内波太郎(石坂浩二)と随風(竜雷太)は元康に家臣の為に戦うのみと告げた。
信長と藤吉郎と波太郎は元康の初陣への対応を話し、元康は出発して三河衆と寺部城に向かった。
演出:大原誠
- 第8回:2月27日:桶狭間
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松平元康(滝田栄)は初陣を迎え岡崎衆が活気ついた、織田信長(役所広司)は阿久居で於大(大竹しのぶ)に「竹千代が初陣した」「次の今川義元(成田三樹夫)の上洛戦で先陣の竹千代を相手にせぬと、岡崎衆に伝えよ」と告げた。
駿府に戻った元康に瀬名(池上季実子)が男子を生んだ、元康は義元から次の出陣命令を受け大高城への兵糧搬入を命じられ、本多の後家・小夜(木内みどり)は於大の伝言を告げ、本多鍋之助(高岡健二)の名を忠勝と決めた。
元康は参陣し、於大と竹之内久六(田代隆秀)は竹之内波太郎(石坂浩二)から「元康は囮を使い兵糧搬入を成功して、信長と義元に力を見せつけた」と告げ、波太郎は金蔵(倉田保昭)と銀蔵(佐乃貢司)と偽の軍勢を装い元康勢に迂回させた、酒井雅楽頭(小笠原良知)と石川安芸(早川純一)は元康の岡崎帰還を義元に断られた。
永禄3年(1560)に川中島の上杉と武田が膠着状態になり、5月に義元は元康に25000人の上洛戦先鋒を命じ石川数正(江原真二郎)は野武士への注意を告げ、元康は駿府を離れる覚悟を持った、清洲城では木下藤吉郎(武田鉄矢)が出世し信長から今川勢の進行状況の報告を命じられ、藤吉郎は城中に篭城の噂を流した。
義元勢は岡崎城に入り、清洲城で信長と濃姫(藤真利子)が待ち、元康勢は丸目砦攻めに向かい、義元は大高城に向かい、信長は藤吉郎から報告を受けて出陣し、波太郎は土民として義元に食物と酒を納め、元康勢は丸目砦を落とし大高城に入り次ぎに側近と於大を訪ねた。
信長は2000で桶狭間で休息中の義元を急襲した、於大と元康は使者から義元が信長に討たれたと聞き、元康は鳥居元忠(草見潤平)に大高の松平勢の岡崎集結を命じ、岡崎へ向かった。
演出:加藤郁雄
- 第9回:3月6日:岡崎入城
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松平元康(滝田栄)は敵陣の取り残され、阿古居で於大(大竹しのぶ)は竹之内久六(田代隆秀)に織田信長(役所広司)への使者を命じ竹之内波太郎(石坂浩二)にも使者を出した、元康は窮地に成り、金蔵(倉田保昭)は於大と波太郎の命で岡崎へ道案内した。
駿府城で今川氏真(林与一)らは負け戦の連絡を受け家臣の妻を城内に集めて見張り、椿(竹下景子)は夫の死を瀬名(池上季実子)に告げ元康への思いを懺悔し弔い合戦を望んだ。
元康は大樹寺で大高からの岡崎勢と合流し、岡崎城代が城を出て戦う気配を知り兵を準備し、本多作左衛門(長門裕之)は城代が駿府に引き上げ城を捨てたと告げ、元康は捨てた城を拾うと告げて入場した、鳥居忠吉(宮口精二)と酒井雅楽頭(小笠原良知)と石川数正(江原真二郎)らは元康から家族と家臣妻子らを迎えたいと告げた。
清洲城で木下藤吉郎(武田鉄矢)は信長から元康の対策を聞かれ滝川一益(新田昌玄)に監視を命じ、元康は城を修復し、妻子の救出策に悩み、盗み聞いたかねから一益に命じられたと聞き織田からの接触を知った、ついに一益が使者に来て、元康は今川への義理はあるが和睦には応じると告げた。
氏真は疑心で人質殺害を行い、元康は清洲城に行き信長と会うと頭を下げられ、国境の取り決めを家臣2名ずつで決めると告げた、久松弥九郎(橋本功)を元康の配下にした。
元康は氏真の親戚を捕らえての人質交換を考えて数正を駿府に送り、駿府で氏真は関口親永(佐藤英夫)から元康の城攻めを聞き妻子殺害を命じ、瀬名は子・竹千代と侍女・お万(東てる美)に自害を求め、数正から元康の策を聞き、数正は氏真と人質交換を交渉して、翌日に数正は瀬名らを連れて岡崎に着いた。
演出:松本守正