いつか陽のあたる場所で

登場人物等

脚本:高橋麻紀
小森谷芭子(上戸彩)
江口綾香(飯島直子)
岩瀬圭太(斎藤工)
小森谷尚之(大東駿介)
小森谷雪江(藤田朋子)
大芝文彦 (前田吟)
飯倉幸子(江波杏子)
大石セツ(松金よね子)
大石重雄(竜雷太)
小森谷妙子(浅野温子)
2012年

第1回「前科ある二人」

小森谷芭子(上戸彩)が家に着くと警察が来て逮捕された。
7年後に出所する芭子を獄中で一緒だった江口綾香(飯島直子)が迎えに来て、芭子は家族から与えられた亡き祖母の家に住むが綾香も谷中に住んでいた。
家に着いた芭子は、7年前に好きになったホストに入れあげて費用の為に多くの犯罪を犯した事を思いだした。
綾香はパン屋沢田ベーカリー(阿南健治・藤吉久美子)で働くがミスが多く、夢のパン焼きまでは出来ず、夫をDVの為殺した事を思いだした。
芭子は近所の大石セツ(松金よね子)の訪問を受け家族が留学だったと言っており、夫の大石重雄(竜雷太)からゴミの分別の常識もないと言われた。
綾香と芭子は買物に出かけ、はつらつとした綾香を見て芭子は何も出来ない自分に自信を無くし仕事を探せと言われコンビニで履歴書を買い、出ると雨に遭うが店員・岩瀬圭太(斎藤工)から傘をかりて家に帰った。
弟の小森谷尚之(大東駿介)が芭子の家に来て、父の心痛での死去と兄妹がいない事になっていると言われ、結婚前に戸籍から抜けて弟の幸せまで奪わないで欲しく、自分が「小森屋」を継ぐとも言い、芭子は署名した。
芭子は職歴なしの履歴書で仕事を探すが見つからず、綾香がパン屋のオーブンを壊し誤るのを目撃した。
芭子に尚之から小物の宅配便が届き「芭子が犬の美容師になりたいと言っていた事や、母は厳しいが憎んでいなく、失ったのは家族全てだから自分の人生を見つけて」との手紙があった。
芭子は家族が自分を捨てたのでなく、自分が家族を捨てたと知り、一歩踏み出そうとした。

第2回「強くなりたい」

芭子(上戸彩)と綾香(飯島直子)は動物園に行き、芭子の同窓生・まゆみ(臼田あさ美)と子供・勇太と再会したが、経験者の綾香はまゆみがDV被害者だと見抜いた。
まゆみが沢田ベーカリーに買い物に来て綾香は芭子は就活中と答えるが、顔の傷が心配で芭子の家に食事に母子を誘った。
芭子はコンビニへ傘を返しに行き、不在だが岩瀬の名札だったと告げた。
まゆみと綾香から芭子は家での食事を聞き、乗り気で無かったがDV被害を心配する綾香は自分の過去を詳しく話し、準備した。
まゆみは遅れて来たが、綾香の問いにDV被害を否定したが、子供を思う綾香は親身に説得した。
芭子は谷中の通りで岩瀬圭太(斎藤工)が色々なパフォーマンスをしているのを見かけて楽しみ、終了後に岩瀬から声を掛けられプロを目指していると知り、名前を教えた。
綾香は交番で勇太を見かけて芭子の家に連れて行き、ぬいぐるみの事を聞かれた芭子は母との関係を後悔し、勇太は母の笑顔が見たいと言った。
怪我をして勇太を迎えに来たまゆみに、勇太は母の笑顔が好きと言い、綾香と芭子は子供の大切さを話した。
芭子は綾香を誘うが、殺人は重く近所住まいが適当と言い、老人ホームのボランティアを始めたと聞いて、芭子は自分ももっと強くなりたいと思った。

第3回「一番会いたい人」

芭子(上戸彩)はマッサージ店で働く事になり、老人ホームのボランティアで催しに困っていた綾香(飯島直子)にパフォーマーの岩瀬圭太(斎藤工)を勧めて了解された。
母・妙子(浅野温子)は息子夫婦から同居を勧められるが断り、仕事で谷中を訪れた。
芭子は人と関わりたくなく、恋もしないというが綾香に既に恋をしていると言われた。
老人ホームで住人・飯倉幸子(江波杏子)は、綾香・芭子たちを嫌うが、岩瀬のショーは好評を得たが、芭子は認知症の老婦人・チエ(草村礼子)に娘と勘違いされた。
芭子は、娘と会っていないというチエの娘を思う気持ちに気持が揺れた。
仕事で谷中に来た母・妙子が大石(竜雷太)に会い、それを聞いた芭子は母に会いたい思いで家を訪れたが、二度と来ないように言われ言えなかった気持を伝えるが、妙子は他の家族への影響の大きさから受け入れる事が出来なかった。
大石から声をかけられた芭子は、自分は本当は人の優しさを求めていたと知った。

第4回「故郷からの伝言」

岩瀬圭太(斎藤工)からの電話にどうしても出られない芭子(上戸彩)だったが、谷中商店街の福引きで旅行が当たり、神戸へきた芭子と綾香(飯島直子)は綾香の富山の高校時代の友人・倉本(安田顕)と偶然出会った。
倉本は綾香の罪を知っており、綾香の家族の厳しい現実を話し富山に帰るなと言い、綾香はやり直したいとは思わないと言い、芭子は岩瀬にもう会えないと電話した。
東京に戻り、伯母・小森谷雪江(藤田朋子)が母・妙子(浅野温子)に芭子を自分の美容院で働かせたいと伝え、芭子と自分は似ていると言った。
芭子は就職先のマッサージ治療院で、院長(近藤芳正)からセクハラを受け逃げ帰った。雪江が芭子を訪れ美容院で働かないかと誘い、芭子が1人で生きたいと断るが困った時は連絡するように言った。
綾香に父・大芝文彦 (前田吟)から荷物が届き電話で感謝を述べた。
芭子はマッサージ治療院に行き仕事を辞め、アルバイト料を要求し揉めた時に岩瀬が来て助けられ、あらためて好きと言われた。
雪江と妙子が芭子の事を話している所へ、偶然尚之が婚約者を連れて来て気まずくなった。

第5回「弟に贈る言葉」

芭子(上戸彩)は岩瀬(斎藤工)から友達でいようという電話に友達を作らないという気持が揺れ綾香(飯島直子)に悩みを打ち明け、仕事探しが最初と言われ、カレンダーの印を聞かれ弟の結婚式と答えた。
大石セツ(松金よね子)は大石重雄(竜雷太)が陶芸教室に通い詰めと嘆いた。
綾香の出所後初めて父・大芝文彦(前田吟)が突然に上京して沢田ベーカリー(阿南健治・藤吉久美子)を訪れ、芭子はペットショップで仕事を見つけた。
綾香は驚き、東京見物するという文彦を心配して芭子に案内を頼み、文彦は神戸で会った同級生の話に心配になったといい、本当は強くなく意地っ張りなだけと言った。
翌朝、芭子は岩瀬からフェスティバルに出場が決まったと聞き、神戸みやげのストラップを渡すと犬のストラップを贈られた。
綾香は帰る父の見送りを芭子に頼むが、老人ホームで幸子(江波杏子)から親は娘の笑顔だけが見たい訳で無いと言われ、発車前に父に駆けつけ本当の気持ちを語った。
「どんなに離れていても家族」という文彦に励まされた芭子は、綾香を誘い父の墓に参り生きている間に謝りたかった・いつか家族に思いが伝わると考える位は許されるかな?と話しかけ、偶然来た母・妙子(浅野温子)が立ち聞きした。
芭子は大石が金婚式の祝の夫婦茶碗を作っていたと知り、弟・尚之(大東駿介)の結婚式に芭子は気持ちを伝えるべきか迷った。
結婚式の祝電から雪江(藤田朋子)が選んだのは、リリーの名前で芭子が贈った祝電だった。

第6回「幸福になる資格」

芭子(上戸彩)は大道芸大会に出場する岩瀬(斎藤工)を見に行くが岩瀬が近づく程に自分と遠く感じて逃げ帰った。
沢田ベーカリー(阿南健治・藤吉久美子)では、綾香(飯島直子)目当てに犬を連れた佐伯(長谷川朝晴)が毎日の様にハムパンを買いに来ていた。
パン屋でペットショップで犬の服を作っていると言った芭子と綾香を佐伯は自分の犬に作って欲しいと2人を家に誘い、訪問すると佐伯は妻を亡くし9歳の娘がおり、2人は佐伯と娘に気にいられまた来て欲しいと言われた。
綾香は老人ホームで幸子(江波杏子)が娘に文句を言われているのを目撃し、自分が上の娘のDV被害を見過ごし死なせたと悔やんだ。
結婚を前提の交際を申し込む佐伯に綾香は資格がないと断るが幸子がいなくなった連絡を受けて2人で探しに出かけ、岩瀬と会っていた芭子が偶然に幸子を見かけ綾香に連絡し、幸子に綾香は自分も夫にDV受けていたと語り励ました。
芭子は思い切って岩瀬に全てを話そうと決意した。
しかし、綾香と芭子に新たな闇が訪れた。

第7回「闇からの訪問者」

岩瀬(斎藤工)の先輩がアメリカから帰り話があると言い、芭子(上戸彩)は全てを告白する機会を失った。
綾香(飯島直子)は谷中でスリの常習犯・服部香江子(坂井真紀)と偶然会い、スリを見つけるが金を要求され突きはなすが、香江子は綾香の職場とアパートを見つけ金を要求し一度は綾香(飯島直子)は金を渡した。
尚之(大東駿介)が芭子を訪ね、結婚写真を渡した。
香江子が綾香のアパートに来て再度脅すが、電話を受けた芭子が駆けつけて、香江子にやり直し始めた2人をそっとしてと頼んだ。
芭子は岩瀬と祭りに行き、アメリカに行くと告げられ日本に帰るまで待っていて欲しいと言われた。
香江子がかって掏った大石セツ(松金よね子)に見つかり岩瀬らに捕まり、綾香と芭子とが同じ前科者だと言った。 芭子は岩瀬に打ち明けて別れた。

第8回「また会う日まで」

芭子(上戸彩)は岩瀬(斎藤工)に隠していた事を謝り、大石夫妻らにも本当の事を話した。
綾香(飯島直子)に妹・琴美(中島ひろ子)から父・文彦(前田吟)が海難事故で意識不明の電話が入り、芭子は綾香に帰郷を決意させ一緒に行ったが琴美や多くから家族の苦しみを聞いた。
芭子の過去を知った大石(竜雷太)は妙子(浅野温子)を訪ね話し、1人にする事が判らないと言い、弟・尚之(大東駿介)は妙子に芭子を切り捨てられないと言った。
岩瀬は芭子と会い、自分の足で歩き「また会う日まで」待っていて欲しいと言い、芭子はペットショップでの仕事に道を見つけ始めており、大石は芭子に下ばかり見ずに歩けと言った。
綾香は沢田ベーカリーに前科を知られ止める事になり、老人ホームで幸子(江波杏子)に気持を知られ部屋で思わず泣いてしまい、今にも生きる光を失いそうだった。

第9回「名乗れない母親」

芭子(上戸彩)は度々ペットの服を注文してくれる「ハナミズキ」に礼のメールを送った。
綾香(飯島直子)は妹・琴美(中島ひろ子)から息子・朋樹が児童養護施設にいると聞き柏田園長(木野花)に確かめた、会えないという綾香を芭子は説得して一緒に訪ねた。
園長の許可で、パンをプレゼントに来たボランティアとして二人は子供達と会い、綾香は朋樹と再会し書いた絵を貰った。
雪江(藤田朋子)は妙子(浅野温子)に動揺していると言い、芭子の弟・尚之(大東駿介)は妻・香織(鹿沼憂妃)に芭子のことを告白した。
綾香は密かに谷中を去る決心をし幸子(江波杏子)に会い、将来一緒にお店を開くという夢を芭子は語るが、手紙を残して去った。

最終回「約束のゆくえ」

芭子(上戸彩)は綾香(飯島直子)が谷中を去り行方を捜すが判らず元気がなく、大石(竜雷太)からいつか会えるといわれ、幸子(江波杏子)から綾香に自分は救われたと聞いた。
綾香は谷中を去る前に妙子(浅野温子)を訪ね、芭子の母を愛する気持ちを話した。
妙子は芭子のデザインした犬の服を観ながら心臓発作で倒れ、雪江(藤田朋子)から連絡を貰うが見舞いに行けず芭子は辛かった。
芭子はペット服の注文で実家の近くにゆき弟・尚之(大東駿介)と会い、妙子が「ハナミズキ」の名で芭子のペット服を買っていたと知り、ありがとうとメールした。
ある日芭子が家に帰ると、母がいて自分が教えられた親の理想を自分の子供に求めた事を謝り、芭子と一緒にやり直したいと言った。
数年後高木巡査(福徳秀介)が雑誌の神戸のパン屋紹介記事に綾香が写っているのを見つけた、神戸に駆けつけた芭子は綾香を発見した。
芭子は2人で店を開くと言うが、綾香は1人でやってみたいと答えた。
そして1年後、・・・・・。

感想:

一度の過ちから前科持ちになり、立ち直ろうとするが数々の障害が待っていた。
周囲に関わりたくない気持は無理で、いかに前向きに一生懸命生きて行くかに気づき、それが次第に周囲や家族に伝わって行く。
ただ、それは順調ではなくしかも助け合って行く事の始まりに過ぎない。

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