Dr.DMAT

八雲響（大倉忠義）：内科医師
吉岡凛（加藤あい）：看護師
八雲春子（瀧本美織）：響の妹
長谷川久美子（麻生祐未）：看護師長
伊勢崎紅美（市川実日子）：脳外科医
小曽根達也（佐藤二朗）：外科医
村上和司（ほっしゃん）：外科医
花田大吉朗（松尾諭）：DMAT
水野幸子（滝沢沙織）：DMAT
小松健二（髙木雄也）：
八雲雷蔵（左とん平）：
桜庭周作（石黒賢）：レスキュー隊長
伊勢崎勝一（國村隼）：院長

演出：倉貫健二郎・松田礼人・堀英樹
脚本：穴吹一朗・吉澤智子
原作：髙野洋・菊地昭夫『Dr.DMAT 瓦礫の下のヒポクラテス』

東京の有栖川総合病院の内科医師・八雲響（大倉忠義）は、外来専門で病棟を避け看護師長・長谷川久美子（麻生祐未）と対応しER（救急室）は断ったが外科医・村上和司（ほっしゃん）と幼馴染の看護師・吉岡凜（加藤あい）から文句を言われた。
響は妹・春子（瀧本美織）を見舞い自らのミスを思い出し、院長・伊勢崎勝一（國村隼）から災害派遣医療チームDMATの隊員に命じられたが、メンバーは看護師長・長谷川や外科医・小曽根達也（佐藤二朗）ら優秀だが癖がある医師や看護師らの集まりで小曽根が優先順位を述べた。
響に、トンネル内で高速バスらの多重追突事故の連絡が入り、DMATとして水野幸子（滝沢沙織）と花田大吉朗（松尾諭）らと出動するが、事故現場では生存可能性の高い者から処置が鉄則で響の選択は生死に直結し、責任の重さに動けない響にハイパーレスキュー隊長・桜庭周作（石黒賢）は檄を飛ばした。
響は無理な体勢での挿管をためらうと桜庭が強引に処置し、緊急搬送を必要な重症者が2人で救急車が1台の事態に遭い響が選ぶしかなく長谷川は判断を求め、響は血液検査を始め糖分投入で片方に決め、2人とも助かった。
響は片方が低血糖症の患者と判断したが、DMATは断ると言うが伊勢崎と長谷川と桜庭はこれからと思った。
凜（加藤あい）が息子を保育所に迎えに行くと火事が起きた。

脚本：穴吹一朗・吉澤智子
演出：倉貫健二郎

事故現場から病院に戻った響（大倉忠義）はDMATを辞めたいと伊勢崎院長（國村隼）に命を選びたくないという響に、逆に何人救えば満足かと質問した。
凛（加藤あい）が姉の息子・翼（髙橋來）の保育園に行くと、その雑居ビルで火災が起きDMATの出動要請があり響は現場に向かった。
火災現場で響は、看護師・長谷川（麻生祐未）から被災者の命をつなぐのが仕事と言われ、救護テントに被災者が次々と運び込まれ、小曽根（佐藤二朗）の指示で響は治療を始め、救護テントに伸江（竹内都子）が連れられ、自殺のため伸江が放火したのが火災の原因で、伸江には緑のトリアージタグが付けられた。
診察・治療を続け響は翼に気づき、凛が火災に遭遇し保育園の子供らビル内部の人々を誘導し、ビル中に凛が取り残されていた。
響は自らビルに入ろうとして、レスキュー隊隊長の桜庭（石黒賢）から叱責され、伸江の体調が急変し喉の熱傷で響は狭い場所に注射針を通し代用チューブで命をつないだ。
ビル内で爆発が起きて崩れ落ちる危険性が出来、凛は3Fに閉じ込められ響に連絡したが待機命令が出て、凛は心筋梗塞患者にマッサージを続けるが凛に一酸化炭素中毒の危険があり中止したが気を失った。
残った3人から響は1人を選ばざる、男性を選び応急処理されているのを見た。
絶望した響の前に、凛が助けだされた。

脚本：穴吹一朗・吉澤智子
演出：松田礼人

響（大倉忠義）はビル火災で凛ではなく別の救出を指示したが、負傷から復帰した凛（加藤あい）がDMATに登録すると聞き驚き、凛は正しい判断だと言い、響は断りたかった。
響にカリスマパティシエの柏木（中村俊介）が訪ねてきたが、柏木は3年前当時研修医の響が舌癌を発見し完治させていて、味覚を救われた柏木は響を自分の白衣のスーパーヒーローだと慕い、柏木は青山にカフェの開店報告に来たが、表情が暗い響が気になった。
長谷川（麻生祐未）は伊勢崎院長（國村隼）に響の即興医学を伝えた。
数日後、病院にDMATの出動要請が来て青山の古いビルでエレベーター事故が発生したが、ERに急患がいて小曽根（佐藤二朗）は出動できず、響が凛らと出動して、現場で響はレスキュー隊長・桜庭（石黒賢）から被災者は柏木でエレベーターと床に両足を挟まれた。
事故でエレベーターが歪み救出まで90分かかり、空気胸で挟まれた両足切断なら救出は可能だが内科医の響に手術のスキルも経験もなく90分持たせる処置を始め、設備老朽で停電し引火の危険があり、桜庭は響の作業を止めた。
長谷川は響に待避命令に従う様に言い、現場の安全確認が出来て響が戻ると柏木は意識が薄れ、響は白衣姿になり胸の血液を抜くが柏木は回復せず死亡した。
響は欠勤が続き春子（瀧本美織）を見舞いDMATを止めると伊勢崎に言うが、遺族からの感謝の言葉を伝えた。

脚本：吉澤智子
演出：倉貫健二郎

柏木を救えず響（大倉忠義）はERに戻り緊急治療や外科の処置を学ぶが、内科医の響には難しく小曽根（佐藤二朗）に怒鳴られた。
病院では、新しい医師・伊勢崎紅美（市川実日子）が伊勢崎院長（國村隼）の娘でアメリカ帰りの脳外科医で、腕は確かだが独断で開頭手術するなど問題が多く、響にも自分なら春子（瀧本美織）を救えたと言った。
ビル解体現場で外壁崩落が起きDMATに出動要請があり、響のチームに紅美も同行し、現場で響と紅美はトリアージ・治療を開始し、新たに要救助者が発見され響たちはレスキュー隊長・桜庭（石黒賢）の案内で身動きの取れない被災者・桐谷秀次郎（斎藤洋介）へ行くが既に意識がなく、瓦礫に挟まれ救出には時間が必要だった。
紅美の診察では頭部に血腫の可能性があり、妻・珠代（角替和枝）から最近の様子を聞き、硬膜血腫で命に関わるので紅美は現場での開頭手術を言うが妻は拒否した。
響は妻と話し始め、助けさせて欲しいと言い手術の許可を得たが、紅美は道具不足で出来ないと言うが響は血腫の有無だけ確認を提案し確認後に手術を開始し、成功させた。

脚本：吉澤智子・穴吹一朗
演出：松田礼人

響（大倉忠義）は紅美（市川実日子）に妹・春子（瀧本美織）の様子を聞き奇跡待ちで他が助かって良いと言われ、看護師長・長谷川（麻生祐未）がシングルマザーと知るが凛（加藤あい）や小曽根（佐藤二朗）は周知だった。
有栖川総合病院にDMATの出動要請が来て、乗用車同士の追突事故で多数の傷病者が発生し響らは女性1名と幼児1名の処置を始め、救急車の到着が遅れていたが2人ともトリアージタッグは赤で処置で母親・佑子（長谷川真弓）が意識が戻り息子の救助を求めたが息子・翔太（須田琉雅）は見込みは少なく、響は佑子の治療を優先指示するが長谷川は翔太の治療を続け、響は怒鳴るが長谷川は母親は望んでいないと言った。
救急車が到着しERに搬送された佑子のみ助かるが佑子は翔太を返せと響を責めた、同時に長谷川の言動は事情聴取が行われ、長谷川は響に謝りまた間違いを犯すかも知れなくDMATを辞めると言い、伊勢崎院長（國村隼）は判らないのは医者の覚悟がないと答え、紅美は現実を話した。
凛と長谷川を引きとめようとするが出動要請が入り、響は長谷川に医者として出動すると告げ、長谷川は佑子の母に会うと自分には佑子が特別と言い佑子の態度を謝り、現場で人手が足りないと長谷川が駆けつけた。

脚本：吉澤智子・穴吹一朗
演出：掘英樹

病院のERに道端で倒れた土屋（小倉一郎）が運び込まれ、響（大倉忠義）らの処置中に、交通事故で右腕開放骨折の江上明日香（徳永えり）が運ばれ、土屋は通院記録から末期の胃がんで、明日香の腕も接合手術は成功したが元通り動く可能性は低く、処置が終わった2人はICUの同部屋に運ばれた。
翌日、土屋は響に退院を申し出て延命治療も拒否し、町工場の資金繰りで金策が必要で、響は担当医に掛け合うが当然退院の許可は下りず、伊勢崎院長（國村隼）や長谷川（麻生祐未）から死の選択が出来るかと問われ妹ならどうかと言われ、響と村上（ほっしゃん）と花田（松尾諭）は死に方を考え、紅美（市川実日子）は医者は腕を上げるのが先と言った。
明日香は自分の右手が動かないと知り凛（加藤あい）を追い出し、バイオリニストの夢が絶たれ絶望し、土屋も妻から工場閉鎖を提案され、希望を失った2人は互いの境遇を理解して意気投合し、土屋は明日香の助けで病院を抜けて工場に向かった。
土屋に工場の職人らは驚くが、今までどおり働くよう指示を出すが、明日香が離れようとした時に、土屋が機械に倒れこみ機械や器材の下敷きになった。
響は事故を聞き工場に向かい、土屋が機械に膝から下を挟まれ土屋は死ぬから放っておけと言い、明日香も本人が言うから死なせてと同調し、桜庭（石黒賢）は自殺かと思った。響はドレインの代わりを作り応急処理をしたが時間がなく、響は足の切断を家族に説明し自分は助けたいと言い、響は糸鋸で緊急切断し搬送し、凛は明日香に生きる事を見る様に言った。
病院で眼を覚ました土屋と響と凛に、明日香は生きたいと思ったと言った。

脚本：吉澤智子
演出：倉貫健二郎

有栖川総合病院ERスタッフルームで寿退職の看護師・麻美（岡本玲）の歓送会が行われ、麻美は夫の転勤先でも看護師を続けると凛（加藤あい）に言った。
数日後、遊園地火災でDMATの出動要請が来て、響（大倉忠義）らは現場に到着したがハイパーレスキュー隊隊長・桜庭（石黒賢）は火災を装い園内で無差別に通り魔で警察が安全区域を定められなく救護拠点も指揮所も建てられていないといった。
小曽根（佐藤二朗）はDMATの安全規則に従い待機を促すが、響や紅美（市川実日子）は独断で処置を始め、多数が被害を受け重篤な傷も多く、小曽根は花田（松尾諭）に情報管理を任せ自らも負傷者の対応を始め、負傷者用の器具が不足し、警察・消防・DMATの情報や指揮系統が一本化されず進まなかった。
紅美と凛はフードコート内で倒れている麻美と婚約者・鈴川（永岡卓也）を見つけ、重傷の麻美を病院に運んだが死に、男性治療中の響は桜庭に倉庫に行き、川畑（相馬圭祐）という犯人だと聞かされ、病院に運び助かった。
響は病院で助からなかった両親の息子から理由を聞かれ答えられず、伊勢崎院長（國村隼）は医師に安全規則違反を責め、桜庭と長谷川（麻生祐未）と問題点の山積を話した。
響は両親の息子が妹が助かったが、両親の死を如何に話そうかと相談された。

脚本：吉澤智子
演出：松田礼人

響（大倉忠義）は命にも重さがあるか悩み、脳梗塞の患者が費用で検査が変わるのが実状で、繁華街でガス爆発事故が起きて出動要請したDMATは現場で響は重症のホームレス・桑野（竹下宏太郎）に救急車搬送指示を出すが、電話を受けた小曽根（佐藤二朗）は国益を左右するほど影響力のある大手商社会長・重松（浜田晃）を搬送した。
響は桑野優先と言うが、原則も富や名声で曲がる現実に、響は病院で重松優先指示の伊勢崎院長（國村隼）に文句を言うが、伊勢崎は原則には例外があると答えた。
春子（瀧本美織）に祖父・雷蔵（左とん平）が来て、響は昨日の事件を言うと雷蔵は何も判っていないと言われ、ハイパーレスキュー隊長・桜庭（石黒賢）から自分と仲間が優先と聞かされた。
地震が起き、地下水道施設で崩落事故が起きDMATの出動要請があり現場で時期総理候補・一之瀬（国広富之）と第2秘書・山口（佐野康臣）が資材の下敷きになり、第1秘書・森田（デビット伊東）は一之瀬の最優先救出を響に言うが、響は山口搬送を優先し一之瀬の治療を行った。
響は山口と伊勢崎院長に、自分とレスキューで2人共助けられると判断したと言った。

脚本：吉澤智子・穴吹一朗
演出：福田亮介

脳外科医・紅美（市川実日子）は響（大倉忠義）に春子（瀧本美織）をファンクショナルMRIという先端技術で血流の変化で脳の状況がわかり正しい治療方法が判ると言ったが春子は全く反応しなく、紅美は継続検査を言うが響は懐疑的で次回検査を保留した。
交通事故現場に出動した響は搬送順で紅美と対立し口論するが、2台目の救急車が到着し、病院での検査・治療の結果、響が正しかった。
出動が最も多い響は、数ヶ月の間に知識と判断力を持つ医師に成長し、響は伊勢崎院長（國村隼）に呼び出され、長谷川師長（麻生祐未）と小曽根（佐藤二朗）の前で伊勢崎は小曽根の負担減のためにDMATの統括責任者を響に提案するが拒否した。
数日後、地震で体育館が崩れ出動要請がきて2人の高校生が負傷し、体育館では黒川（荒井敦史）が折れた鉄筋に身体を貫かれたが心臓に近く電動カッターが使えなく、側の女子生・美貴（青山美郷）に異常を感じた響は頭部損傷の疑いがあり紅美が運んだ。
響は黒川を緊急挿管して出血覚悟で鉄筋を抜き搬送し間に合った。
響は伊勢崎院長に春子の試験外泊を依頼し、DMATの統括責任者を受けた。

脚本：吉澤智子
演出：倉貫健二郎

西多摩地区が震源の大地震が起き、有栖川病院で伊勢崎院長（國村隼）が対策本部を設置し、大田区工場街で建物倒壊が起きて桜庭（石黒賢）たちハイパーレスキュー隊は救護拠点設営に奔走した。
小曽根（佐藤二朗）や紅美（市川実日子）は春子や凛を心配したが響（大倉忠義）は病院に怪我人がくるから集中しようとし、雷蔵（左とん平）の診療所に転院した春子（瀧本美織）と凛（加藤あい）の携帯電話はつながらなかった。
レスキュー隊からDMATの出動要請が来たが、響は院内の対応が一杯と断るが伊勢崎院長は独断で出動を決めた。
奥多摩では凛と雷蔵が怪我人の対応に追われていた。
工場にきた響は状況を判断し指示を出し、他のDMAT隊や医療従事者も処置をしているが、バラバラで統制が取れず能率も悪く、母親だけを気にする医師・大迫（宮川一朗太）は母が最優先で、他の医師も目の前の被災者にかかりきりだった。
響は全DMAT・医療従事者を集め、自分が指揮をとり助かる命の数を最大限にする事を始めて、少しずつ対応できはじめた。
ようやく、響は凛と話す事ができた。
しかし、余震は続き、凛は朱音（久家心）に呼ばれ母の救助に向かったが山崩れが発生した。
（続く）

脚本：吉澤智子・穴吹一朗
演出：松田礼人

（承前）
西多摩が震源の大地震発生から24時間が経過したが余震は続き、テレビから奥多摩の土砂崩れがニュースがあり、響（大倉忠義）は雷蔵（左とん平）と春子（瀧本美織）と凛（加藤あい）と連絡が付かなかった。
有栖川総合病院にDMATの緊急派遣要請が来て、伊勢崎院長（國村隼）は奥多摩に派遣を小曽根（佐藤二朗）に指示するが、前日出動者は除くが響も長谷川師長（麻生祐未）も紅美（市川実日子）も出動した。
現地で響は避難所で春子を発見するが、雷蔵から凛が診療所に行ったままと聞かされ、響は凛救出の為にレスキュー隊に同行し現場に向い、土砂崩れの現場でレスキュー隊が救出活動を続け、横で響たちは処置を始めた。
診療所近くの瓦礫の下から凛の声がして、凛と小学生・朱音（久家心）が発見され響が救出に迎い凛に赤タグをつけ重傷で30分以上かかると聞くが余震が来て桜庭（石黒賢）は他にも赤タグ患者がいると伝え、長谷川は他の現場に行った。
凛は自ら黒タグに変えようとし響は従えないが凛の言葉に決断して黒タグにして、現場を移動し、響は長谷川らと合流し重傷者の処置を始めるが無理と止められ、救助作業を続けるが犠牲者は増えた。
DMATは遺体確認を言われ救助に来たと落ち込み、響は朱音が謝ると違うと答え、現場では救助かライフライン確保か意見が別れるが、響は奇跡を期待されていると語り救助活動継続を望み、行方不明者捜索を開始し、埋もれた車に妊婦の生存者を発見し響が乗り込み処置し救出し出産にも成功した。
響は多くの死者と個々の救出者とに気に病むが、院長は響に医者が悩むのは無意味といわれ救命活動を続け、春子の部屋で凛が録画したレコーダを再生すると凛の独り事が聞こえた。
そして、・・・・・・・・・・。

脚本：吉澤智子・穴吹一朗
演出：倉貫健二郎

災害救助問題と、救命医療問題を取りあげる。
後から何か言うのは、いつもいるのは現実だ。
奇跡を信じる事と、多くの命を救う方法の模索は両立するのか。
当事者で異なるのは、仕方ない現状だ。