つるかめ助産院-南の島から

つるかめ助産院-南の島から

原作:小川糸
脚本:水橋文美江
2012

第1回:「嵐の前の旅立ち」

プロポーズされた安西まりあ(仲里依紗)は小野寺達也(溝端淳平)と新婚生活をスタートするが、子どもを持つことへの二人の差が次第に気まずくさせた。
中年助産師の鶴田亀子(余貴美子)は患者が費用を払ってくれないと品物で立て替えるお人好しだが、宝くじを渡されとまどった。
その病院にまりあが隠れて訪れ、妊娠していないと聞いてホットしたのが亀子は気になった。
亀子は宝くじが大当たりで大金を得て仕事を辞めて旅にでて南の離島・美波間島で長老・長井(伊東四朗)と出会い島の助産院を頼まれた。
1年後、達也が行方不明になり南の島の写真を見た小野寺まりあは、そこを訪問するが海岸で倒れてたすけられて島の人達に会い、子だくさんの家のお産に立ち会った。
亀子が継いだ「つるかめ助産院」で出産があり、その後台風でしばらく島に閉じ込められた。
まりあはそこで妊娠3月を知らされ、迷いを持つがやがて本土に戻って行った。

第2回:「ゴエンの契り」

東京に戻ったまりあを母・安西涼子(賀来千香子)が訪れるが何も話さなかった。
夫の行き付けのバーへ行き妻の妹と言って達也の事を聞くと、マスター・大野原ハジメ(ゴリ)は「悩んでいたので冗談で言ったらば本当に実行した、結婚失敗」とため息をついていたと言った。
まりあは中絶手術のために病院へゆき翌日の準備をし亀子に電話をした、亀子は何も出来なかったと謝り元気になればおいでと言った。
まりあが「つるかめ助産院」を訪れ、亀子は何も聞かなかった。
上原サヨリ(有村架純)が未婚で出産しようとしていて母・上原理恵(麻生祐未)が止めに来たが姉妹は孫が見たいと思っていたと言った。
子だくさんのトクの家で子供の祝いがあり子供は宝と知り、理恵はトクに色々教えて欲しいと言った。
助産院でまりあは亀子と長老に「赤ちゃんに会いたく自分の宝と判った」と言い、亀子は自分も会いたいと答えた。
翌日散歩するまりあと亀子のあとを助産院へ来た日傘の女性(加藤貴子)がいた。

第3回:「みつけた居場所」

艶子(加藤貴子)は亀子の診察を受け「大丈夫」と言われてホットするが、出産のトラウマを抱える艶子を周囲は大丈夫でないと思っていた。
まりあは亀子が準備した部屋に住む事になった。
長老から東京から男が来たと連絡が入るが、サヨリの相手で自分がしっかりした母親になるまでは大学を続けて欲しいとすぐの結婚は断った。
間違った事を知らせたおかちが、まりあに謝るが髪形がぼさぼさで気にしていたので、まりあがヘアーメイクですっきり直した、亀子はまりあにヘアーサロンを開く事を提案した。
亀子とまりあがラジオ体操に出かけている時に、艶子が助産院に来たが症状が悪い様だった。
長老の所へ東京から小野寺がまりあを探しに来ていた。

第4回:「もう捨てないで」

長老は、小野寺をおばぁ(平良とみ)の家に泊めて、まりあと東京に帰りたいと言っていると連絡したがまりあは会うのを迷った。
助産院で妊婦・艶子の陣痛が始まり、まりあは面倒を見るがサミー(中尾明慶)から最初の子供が死産だった事に原因する想像妊娠だと告げられた。
まりあは自分の幼少の時を思い出し衝撃を受けた、艶子は一晩すぎて想像妊娠から醒めて自己嫌悪になるが、まりあはネイルケアとヘアーメイクを行い、亀子は出産以前から含めて赤ちゃんの誕生は奇蹟だと言った。
亀子たちはまりあを小野寺に会わそうとするが、いやがって「さよなら」の手紙を残して姿を消し、皆が島中を探した。

第5回:「妊婦心と秋の空」

小野寺は亀子からまりあが養子と聞いても知らなく、2度捨てられたと思っているので話し会うべきと聞いた。
まりあは見つかり、亀子にぶたれたのが心に響き、東京には戻らないと言った時につわりが起きた。
サミーとまりあが小野寺に会いに行き、小野寺は勝手に「かべを無くすためにいなくなった」と謝り、まりあは「子供はサミーの子」と答え、小野寺はおばぁの家でトクと飲み明かした翌日、長老に東京へ帰えるといい長老はまた会いそうだと答えた。
まりあの具合は悪く、亀子と日記を交わすが直らなく、ある夜亀子は長老に「まりあが母に捨てられた子だが、自分は両親の無理心中で生き残った、母親に殺されかけた子」といい、長老は生きててよかったと答え、まりあはそれを聞いていた。
まりあは亀子に色々な母がいると言い、つわりは直った。
3ヶ月後、「まりあヘアーサロン」を開いているまりあに母・安西涼子から島に行くとの手紙が届き、まりあはつわりの悪い時にうらみを書いた様だがはっきり憶えておらず、島に来た涼子を迎えたまりあは倒れた。

第6回:「母の想い」

まりあから嫌みの手紙を受け取った養母・涼子が島に来て、まりあは寝込んだ。
実の娘を事故で亡くしている涼子は、島の助産院で産むのは危険だというが、まりあは島で産むつもりで帰る気は無かった。
理恵の娘・サヨリがまりあにヘアーメイクに来て、理恵は涼子に子供にどう呼ばせるか相談し、島の皆はつるかめ助産院が如何に安全か言い始めた。
何も知らない亀子は出産はリスクはあり過信は禁物と言った。
まりあは涼子に「一産一会」の額を見せ、一度去った島に出産の為に来た理由を述べ、涼子に理解してもらえないと思ったと言った。
涼子はまりあは代わりではなく本当の母になろうとしていたと言い、亀子に出産を頼んだ。
まりあを養子にした時の産着と手紙を残して島を去る涼子に、まりあは塩むすびを贈った。
サヨリが出産し、まりあは皆と撮った写真を涼子に送った。
蛸を捕りに出かけた長老が事故で本島に運ばれて意識不明の連絡が入った。

第7回:「涙そうそう」

嘱託医の長老が海にタコ捕りに出て、事故で意識不明になり死亡した。
意気消沈する亀子を励すため、まりあは長老が亀子を連れて行くと言っていた秘密の場所を探そうとした。
亀子は嘱託医が居ないと助産院では出産出来ないので、代わりを探すが直ぐに見つからずまりあを含めて本島での出産になると考えた。
まりあは漸く見つけた秘密の場所に亀子を連れて行き蛍を見た。
サミーは長老の言葉から結局東京に行く気になった。
東京で大野原ハジメの店で飲んでいた、まりあの養母・涼子から離婚書を渡された小野寺達也の所に長老の幽霊が現れれた。
亀子は妊婦を本島の助産院に引き継ぐが、まりあは友達として出産に立ち会ってほしいと言った。
サミーは小野寺を訪ね、子供の父は自分でないと言った。

最終回:「新しい人生のはじまり」

亀子は助産院を本島で開いてはと言われるが、出産前後も大事だし島は特別と答え、まりあは出産が楽しみと言った。
サミーからまりあの子供の父でないと聞いた小野寺は島に赴任する医師を探し始めたが見つからず、夜にハジメの店にいると全部捨ててやりなおすという医師・沢本が来て挨拶して去ろうとしたが、小野寺は何回も離島に赴任を頼んだ。
亀子はまりあに出産の時は本当の気持ちになるので小野寺への気持が出ると言った。
サミーとハジメが沢本を連れて島に帰って来た、皆で歓迎するが「沢本の言葉のなかの呼び方」が変と、まりあはサミーに問うが答えられなかった。
まりあは母に、島でまもなく出産すると手紙を出し母が来て亀子に、まりあが島に来てから変わったと語った。
まりあの陣痛が始まり、サミーは医師・沢本を探したのは小野寺だと言い、次々と島の人が集まって来て、亀子は翌朝くらいと言った。
翌朝、まりあは小野寺の事ばかり気になるが、ぎりぎりで小野寺が間に合い出産に立ち会い赤ちゃんが生まれた。
島を去る小野寺にまりあは安産だったからもう歩けるといい、また逢いにきたいと小野寺は言い、まりあは「新しい人生が始まるがそれでもまた逢いたい」と答えた。

感想:

離島生活を丁寧に描き、そこに医療問題を加える。 小野寺夫妻の行き違いが、近づく過程は異様とも現実的とも思える。 離島ゆえに、食い違いが解消されるのは人が直接接触するからだろう。

このページの先頭へ