日本巌窟王(1)

スタッフ

原作:アレクサンドル・デュマ・ペール
脚本:小野田勇
監督:岸田利彦・高野喜世志・松本美彦・田中賢二・池村憲章

1:花婿出陣:1979年1月10日

寛永15年春に九州に島原・天草の乱が天草四郎の元に決起し、徳川家光(久富惟晴)は酒井讃岐守(加藤和夫)と土井大炊頭(嵯峨善兵)らに西国大名に出陣命令を出し松平伊豆守(金内吉男)が指揮者に命じられた。
葵月之介(草刈正雄)は両親・葵長門(内藤武敏)と梅乃(河内桃子)と婚礼に向かい、諏訪左源太(東野英心)が席を外す神谷十太夫(有川博)を止め花嫁・深雪(山本みどり)への思いを告げられ同意し、大久保彦左ヱ門(西村晃)が諭し挨拶し組頭・加賀爪丹波(玉川伊佐男)と会い長門と謡い舞うと、老中からの使者が総登城の命を告げた。
加賀爪と共に月之介と十太夫と左源太らも登城し総勢1500名が集まり、一度散会し彦左ヱ門が出陣出来ずぼやき、十太夫が執念が実ったと思い、月之介が両親に出陣を告げ深雪に別れを告げ離れても名を呼び合うと約束した。
伊豆守の軍は島原に着き、前任者の総攻撃での死を聞き、兵力増強と兵糧攻めをはかり、月之介は加賀爪の軍で警備に就き夜回りでお夕(浜木綿子)らの一団と会い闘うが左源太は逃げ、水野十郎左ヱ門(林与一)が加勢し、月之介はお夕らを捕らえた。
加賀爪が取り調べ拷問攻めで月之介と十太夫が対立し加賀爪がお夕を問うと、肥前屋徳兵衛(安部徹)が月之介を訪ね来て、お夕が天草四郎の姉と言い妙案があると告げ南蛮船で原城に大砲を撃つと言うと月之介は外国人の手を借りる事に反対し肥前屋を斬ろうとして十太夫と左源太に止められ、十太夫と左源太は月之介抹殺を謀った。


監督:岸田利彦
脚本:小野田勇

2:地獄への罠

葵月之介(草刈正雄)は深雪(山本みどり)を思い、神谷十太夫(有川博)は月之介への妬みと深雪への恋慕をしのらせ諏訪左源太(東野英心)を使い月之介抹殺を狙い、天草四郎の姉・お夕(浜木綿子)と弟・右京は喜平次(野口貴史)と松造(千葉繁)と半兵衛(大久保正信)らと隠し財宝探しを話した。
十太夫は加賀爪丹波(玉川伊佐男)と月之介が融通が聞かぬと話し、肥前屋徳兵衛(安部徹)の南蛮船で原城に大砲を撃つ案が有効と進言し、十太夫は左源太とお夕らを連れ去り、左源太はお夕を加賀爪に連れ縄を解き調べ、十太夫は右京らを処刑場に連れ寝返りを求め斬首し喜平次(野口貴史)が寝返った。
十太夫は喜平次から城を聞き出し、左源太は月之介に加賀爪とお夕を知らせ見てお夕の言葉を信じ連れ去り、十太夫が加賀爪を言いくるめ、月之介はお夕に捕らえた事を後悔すると話し名を名乗り合った、十太夫と左源太が月之介の振りでお夕と右京を逃し、月之介を捕らえ罪をきせた。
加賀爪と十太夫と左源太は肥前屋に月之介の処分を相談し、孤島・岩屋島の牢獄に流すと決めた。


監督:岸田利彦
脚本:小野田勇

3:南海流人島

葵月之介(草刈正雄)は神谷十太夫(有川博)の罠に落ち、罪人として流人船に乗せられ、十太夫と肥前屋徳兵衛(安部徹)が見て島原藩奉行・寺尾伝内(川島満)と久世民部(川部修詩)が見に来て半年毎に船が出て奉行が船に乗り出航した。
玄達(三木のり平)が月之介に地獄船と言い介抱し、船は岩屋島に着き、月之介は脱出を誓い、島で洞窟の牢に入れられたが訳を尋ねるが定めで赦免は無いと言われ、無実を言うが無視された。
ある日に月之介を玄達が訪ね食料を渡し役人を手なずけたと言い、代官に侘びを言えと島を抜ける為に必要と告げ、数日後に玄達と役人が来て月之介が侘びひとり牢から出て作業と言われ月之介と玄達と組み、翌日外に出て作業し月之介は病気の老人を助け様として仕置きで吊られ、夜に月之介は星を見て深雪(山本みどり)を思った。
天草の乱は治まり、深雪は葵長門(内藤武敏)と梅乃(河内桃子)から月之介が帰らず恥ずべき行為の噂を聞き、十太夫が来て天草四郎の姉と通じ戦陣脱走と言い、加賀爪丹波(玉川伊佐男)が来ると長門が自害していた。
玄達が月之介に足鍵の鍵を作ると告げ、月之介は脱出の機会を狙い、しばらくして玄達が月之介に翌日決行と告げ、翌日に玄達と月之介は役人が船を向かいに行った隙に逃げ足鍵を外し逃亡し、役人に囲まれ刀を奪い闘うが玄達を人質にされ捕らわれ、天草四郎の父・益田甚兵衛(伊藤雄之助)が責められるのに会った。


監督:高野喜世志
脚本:小野田勇

4:決死の脱獄

10年経ち葵月之介(草刈正雄)は度々脱獄を図り全て失敗したが計画を進め、玄達(三木のり平)はきつく益田甚兵衛(伊藤雄之助)は別と言い、月之介は洞窟に穴を掘り進め、大月東馬(笹入舟作)と河合半蔵(吉川幸晴)が見回り、月之介は甚兵衛と会い互いに目的があると話し強い絆で結ばれていた。
月之介と甚兵衛は落盤に合い、玄達が来て岩に当たったと諦めるが、月之介と甚兵衛は続け、朝に月之介は役人に玄達が賄いに行ったと言い、玄達が芳松(大坂憲)や庄作(井上三千夫)やに配り、囚人らが作業に行き代官に昇進した小森弥七(坂口芳貞)が脱獄が無理と言い、月之介は寺尾と肥前屋が出世したと聞いた。
食料は隣の島からお千(浅利香津代)らが運び、玄達にお千が惚れ言い寄り船の手配を告げ、甚兵衛が病で倒れ月之介が痛められ囚人頭(根本嘉也)に助けられるが落石で甚兵衛が大怪我した。
玄達と月之介は海辺までの脱獄方法を考え、甚兵衛が悪化しひとり牢に戻され月之介は穴伝いに会いに行き、形見を渡され宝の隠し場所と聞き、死体を水葬するしきたり利用の秘策を聞き、玄達が盗み聞きお千と話し見つかり捕らわれ、甚兵衛が死に月之介は死骸を運び出し代わりに袋に入り、役人らが海に捨てると抜け出した。
玄達は縄を切り抜け出し、月之介は荒らしに合い翻弄された。


監督:松本美彦
脚本:小野田勇

5:隠れ里の美姫

姫・真美(三林京子)と侍女・加那(大沢緋瑳子)は海岸に打ち上げられた葵月之介(草刈正雄)を見つけ屋敷で介抱し目覚め島抜けと嵐の海を思い出し、真美と玉城朝秀(多々良純)に会い、岩屋島から脱獄したが無実と過去を話した。
月之介は珊瑚島とだけ聞き、朝秀と真美は信じるかで言い争い、医者(村上冬樹)が月之介を診て回復して行き、真美と話しいつまでも島に居れと言われたが裏切った者への復讐を告げ、薩摩藩の琉球への悪政支配を聞き逃げて珊瑚島に隠れたが探されていると聞き、秘密は守ると答えたが、朝秀が秘密の為に命を狙うと考え事情が変わるまで留まると答えた。
月之介は島民らと働き始め、弓や柔術を稽古し武器の使用を習い上達し、1月後に忍者が真美を襲い攫い、庭にいた月之介が見つけ闘い助けた、朝秀から敵に目をつけられ島を去っても良いと言われ別れの宴を催し、月之介は真美と別れを話し、島は安住で無かったと言われ、2人とも闘いの日が始まるとの思いがあった、月之介は地図を調べると、薩摩の船が島に来て朝秀らが闘い加那が姫の身代わりになり、月之介は真美と逃げた。
隠れ里は燃え滅び、朝秀と加那は死に、月之介は真美と船で漕ぎ出し滅ぶ隠れ里を見て嘆く真美にこれからは自分が守ると伝えた。


監督:田中憲二
脚本:小野田勇

6:天主の宝

葵月之介(草刈正雄)と真美(三林京子)は小舟で地図の島を目指し3日後に発見し上陸し、宝を探すと玄達(三木のり平)が待ち、滝の洞窟を見つけ奥で十字架の目印を見つけ、月之介と玄達が地下に降りてマリア像を見つけ落盤が起き財宝を見つけた。
江戸で旗本と唐犬権兵衛(沢竜二)と放駒四郎兵衛(団巌)らが喧嘩すると、水野十郎左ヱ門(林与一)が止め旗本を諫め預かり、大久保彦左ヱ門(西村晃)と肥前屋徳兵衛(安部徹)と神谷十太夫(有川博)と阿久里(宮下順子)らが飲み呼ばれるが断り去った。
水野は妹・菊路(片平なぎさ)と暮らし飲み過ぎを戒められ、大久保が来て嫁取りを勧め松平伊豆守(金内吉男)から睨まれていると琉球王国特使の饗応役を加賀爪丹波(玉川伊佐男)に替わられたと告げられた。
琉球王国特使・尚竜王(三波豊和)が仲宗根春哲(奥村公延)らと将軍に挨拶に江戸に向かい、中に月之介と真美が居て、玄達も影で同行し、阿部豊後守(庄司永建)が迎え加賀爪と土屋が饗応役と挨拶し、尚竜王が月之介と真美を紹介した。
月之介は真美から加賀爪が気づかなく操ると言われ、真美と尚竜王から莫大な財宝で琉球王国に仲間入りし偽でないと言い、玄達から深雪(山本みどり)が神谷の妻になり父が切腹し葵は廃絶し母・梅乃(河内桃子)は行方不明と聞き、父の命日に墓に行き梅乃を見かけ、神谷と深雪が来た。


監督:岸田利彦
脚本:小野田勇

7:風流おんな絵師

神谷十太夫(有川博)と深雪(山本みどり)が梅乃(河内桃子)に挨拶し、葵月之介(草刈正雄)は今の状況を聞き罠を仕掛けられたと知った。
月之介が琉球屋敷に身を寄せる近くの神田の長屋に玄達(三木のり平)が住み、おこま(永島暎子)と話し客の準備をし、月之介が玄達を訪ね豪勢に飲み食いし、神谷らの調べ内容を聞き天草の乱で破格の出世し、加賀爪丹波(玉川伊佐男)や諏訪左源太(東野英心)や肥前屋徳兵衛(安部徹)らが出世し店を大きくし、喜平次(野口貴史)の裏切りと寺尾伝内(川島満)が留守居役で羽振りが良いと聞いた。
玄達はおこまと父から大道稼ぎは儲からないが人気の絵師がいると聞き、お夕(浜木綿子)が放駒四郎兵衛(団巌)を描き襄馬(寺田農)が付き添い、鳴滝弥七郎(宮口二郎)が来て島原の戦場での傷と言いお夕が体の傷を書きたいと言い、放駒は平内(根岸一正)と菊路(片平なぎさ)に言いがかると天草右京(志垣太郎)が喧嘩を買い懲らしめると唐犬権兵衛(沢竜二)が来て止め放駒に謝らせた。
天草がお夕と話し、水野十郎左ヱ門(林与一)の妹を助けたと言うと10年前に争った相手と言われお夕は月之介を思い出し、月之介は琉球屋敷で真美(三林京子)と仇討ちを話し苦しみを味あわせると告げると、加賀爪が来て真美に会い、その夜に襄馬とお夕が鳴滝を襲い復讐し斬り殺し、肥前屋の寮に月之介の仇4人が揃い喜平次が阿久里(宮下順子)が来れないと告げ、神谷が計画齟齬を言うと寺尾伝内が贈られた手鎖を見せた。
酔った寺尾伝内が船に乗り幽霊を見、月之介の復讐が始まった。


監督:高野喜世志
脚本:小野田勇

8:虎穴に入る男

おこま(永島暎子)が父を送り、玄達(三木のり平)と葵月之介(草刈正雄)が起き玄達が費用が掛かると言い、寺尾伝内(川島満)は諏訪左源太(東野英心)に幻と言われ、水野十郎左ヱ門(林与一)が菊路(片平なぎさ)に小太刀の稽古を求め天草右京(志垣太郎)を噂し平内(根岸一正)も同じと言い、阿久里(宮下順子)が水野に会いに来た。
お夕(浜木綿子)が似顔絵を描き襄馬(寺田農)らが講を話し、玄達と月之介が来て絵を求めお夕が月之介に思い出し、阿久里が水野に不満を言うと相手にされず神谷十太夫(有川博)は金つると言い、玄達は絵を脅しに使うと言い寺尾に行き、月之介はお夕に名乗られ思い出し罠に落とされた事を話した。
口之津道軒(信欣三)にお夕は叱られたが不満で、阿久里と水野が飲むと坂部三十郎(深江章喜)らが来て、菊路が天草の来客を告げ水野に近づきと組に追加を求め坂部と闘い勝ち、寺尾が酔い玄達の影絵を斬った。
月之介は真美(三林京子)から手紙で財宝売買を頼んだ大坂商人・淀屋からで、そこに加賀爪丹波(玉川伊佐男)が来て副使の月之介の謁見を求め、月之介は一か八か謁見すると言い、真美は大坂に行き、月之介は江戸城で徳川家光(久富惟晴)と松平伊豆守(金内吉男)ら重臣と会い、月之介は松平に呼び止められた。


監督:松本美彦
脚本:小野田勇

9:復讐の怨み花

葵月之介(草刈正雄)は尚竜王(三波豊和)らと江戸城で徳川家光(久富惟晴)らに会い日光参拝を言われ松平伊豆守(金内吉男)が担当し、神谷十太夫(有川博)が月之介を疑うが否定され幕臣に捕らえられ、尚竜王と月之介に伊豆守が十太夫を連れ謝罪した。
十太夫は謹慎になり深雪(山本みどり)と酔い、月之介が江戸に帰ったと告げ忘れてないと非難し、加賀爪丹波(玉川伊佐男)と喜平次(野口貴史)に似た男が居るのを告げないと非難し、翌日に深雪は十太夫に命じられ琉球屋敷を訪れ月之介と逢い、夫・十太夫を詫び人違いと言うと加賀爪と喜平次が安心と言い、深雪はそれを不審に思った。
月之介は玄達(三木のり平)に財宝は使えないと告げ、月之介は大道絵師・お夕(浜木綿子)を探し消えたと聞き、役人が月之介を捕らえ様として逃げられ、口之津道軒(信欣三)ら盗賊仲間が襄馬(寺田農)らとお夕を待ち、来て月之介を探し岩屋島に居たと言い甚兵衛と居たと考え、幕府旗本を全て襲うと言われ反対出来ず、天草右京(志垣太郎)は坂部三十郎(深江章喜)や水野十郎左ヱ門(林与一)らと飲み、ヤクザ(松崎眞)が来て女郎・吉也を寄越せと言うと右京は斬り倒し水野も加勢した。
道軒とお夕らは礼拝し出かけ、肥前屋徳兵衛(安部徹)と加賀爪と喜平次と諏訪左源太(東野英心)と十太夫らが飲み肥前屋が趣向があると言い、寺尾伝内(川島満)が襲われ狂い月之介と玄達が黒幕を問い殺し、肥前屋が十太夫に京人形と言うと伝内の死体が有った。


監督:田中賢二
脚本:小野田勇

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